日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「かくは愛しく」「なんぞ愛しき」2首

2017年09月24日 | 日記
 大切に思う人の面影とともに森を歩くと、目にふれ手にふれるものが、あれもこれも愛しく、かけがえのない気がします。いつでもどこでも、このような優しさと安らぎに満たされていることができたら、どんなに幸せだろうかと、心から思います。

これもかも かくわいとしく おもおゆる とうときひとの かげとあるけば
これもかも かくは愛しく 思ほゆる
尊き人の 影と歩けば

(大切に思う人の面影とともに歩くと、目にふれ手にふれるものが、あれもこれも愛しく、かけがえのない気がします)

 日が落ちかけるころ、住宅街から公園に続く階段を下りていくと、上ってくる親子連れとすれ違いました。男の子が、少し寂しそうに、「もう帰るの?」と聞いて、楽しかった一日の終わるのが、名残り惜しそうでした。
その子が大人になるまで、こんな楽しい一日が何度あるだろうかと、自分の小さいころを思い出して切なくなり、子供たちにたくさんの楽しい日があるようにと、祈りました。

よいまだき もはやかえると といかくる おさなごのこえ なんぞいとしき
宵まだき
もはや帰ると 問いかくる 幼子の声
なんぞ愛しき

(日暮れにはまだ間があるころ、親子連れとすれ違うとき、男の子が少し寂しそうに「もう帰るの?」と言うのが聞こえ、自分の小さいころの物悲しい気持ちを思い出して、切なくなりました)

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