ヒカラビ一家の花日記

山の上に住む花農家から 魚沼発のあれこれを

1982年 初めてのオランダ 3

2008年02月14日 | 旅行記

当時世界1規模のアールメア花市場。
今では珍しくもない「時計ゼリ」を初めて見た。

場内は静かで、台車に乗せられて流れてくる花がすごい速さでせられていく。
「チョンだ、ブリだ」と、威勢のいい掛け声の日本のセリしか見たことのなかった我々には「ほんとにこれでセリが成立しているのだろうか?」と思うほどの驚きだった。

一番の驚きは市場のシステムだった。
日本の花市場は消費地にある。
オランダの花市場は生産地にある。
市場とは組合で、組合員である花農家はその市場にだけ出荷するのである。
買参人は花の流通業者であって、世界中に配信しているのだ。
「なんかコペルニクスだねぇ」と言ったのを覚えている。

オランダの町はレンガと石畳でとても古風だ。
もう何百年も前から変わっていないようだ。
今じゃ日本もオープンガーデンが盛んだが、庭も窓辺も道路から家の花が見えるように飾ってあるのには驚いた。


街頭の花屋さん。束で安く売る。
街中石でできているので花は欠かせないんだろうな。

最初に訪問したのは「ブライン社」切花農家だ。
大きな木の箱に球根を植えて、芽伸ばしの冷蔵庫からハウスまでをフォークリフトで運ぶ。
ハウス内もローラーに乗って箱が移動する。
通路もほとんどいらない無駄のないシステムだ。

今となってはそれほど驚かないだろうが、26年前にまったく前情報の無い者がこれを見せられたのだから、その驚きは創造してもらいたい。
社内にある接客用のラウンジ。
今になってこの写真を見ると、天井の色電球はなんだろうなと思うにだが、あの時は何もかも驚いただけだったのだ。

夜は「ファイブフライ(5匹のハエ)」と言う有名なレストランで食事をした。
猫の頭蓋骨なんかが飾ってある、ガイドブックにも載っている有名な店だ。
豆とオリーブのスープ以外はまあまあいける味だった。
何せ前情報では「絶対口に合わない」と聞かされていて、カップラーメンや梅干を山ほど持ってきていたのである。   つづく

コメント
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