7月、おおよそ1か月間、町の商店や観光施設でユリが飾られる。
販売促進活動と思われがちだが、少し違う。市場流通産地においては花消費者(顧客)のほとんどは都会の人だ。
ここでキャンペーンをすることの効果はほとんど期待できない。
季咲きの季節には1輪、2輪、あるいは切り遅れなど出荷してもあまりお金にならないものがたくさんある。
せっかくなので地元の人たちに親しんでもらおうと提供されている花。
毎週金曜日には商工会の玄関先に運ばれて各商店などに配られる。
ユリ感謝デイは1990年から10年続いたフラワーフェスティバルの流れをくむもので、Aコープ2階でのユリ即売会なのだが、恒例で青年花き研究会による豪華な花飾りが行われる。
例年この日を楽しみにしている人が多く、朝のうちに大勢の来客でにぎわって花もたくさん売れた。
この日にお中元に花を送る人も多い。
同時にコンテストも行われるが、これは全くの人気投票で、来客の投票だけが審査だ。
なので実際には一番参考になるコンテストだ。うちは切り遅れたピコとピンクシークレトを出した。
これらの催し物の目的はひとえに話題作りだ。
もし子供が東京の大学に行ったり県外に就職したり、、、そこできっと出会いがあるだろう。
「魚沼ってどんなとこ?」 と聞かれて、、、「山があって川があって自然が豊かで食べ物がうまくて、、、、」 そんなの日本中の田舎が同じなのだ。
ようは、全国に自慢できる特産品がしっかり有って、そこに働く人、特に若者がいきいきと活動しているか?
「毎年夏には町中ユリが飾られる、ユリの町だよ。ユリの公園もあるよ。若者が大勢いるよ。」 そう言えること。
そこが大事なのである。 あとはそんな活動を自分たちのモチベーションに変えられるかだ。
ってことで、泊りに来ていた姉ちゃんたちはもう一晩引っ張ってこき使いました。
ユリの仕事も少しだけ思い出にしてもらった。
もう一晩引っ張って 「このままうちの息子の嫁に、、、」と言おうとしたら帰ってしまった。
女を見送るにはやっぱり無人駅が似合うなぁ、、、、