ここは公園の歩道脇で,南向きになったところ。落ち葉が積もっています。その中から,カンサイタンポポがひっそりと花を付けています。
カンサイタンポポはセイヨウタンポポほどの逞しさを備えているわけでもなく,真冬に花を見かけるのはめずらしいこと。なにしろ昆虫を招いて受粉を手伝ってもらうしか,生殖法を持ち合わせていないのです。いわゆる有性生殖という手段です。ということは,昆虫が訪れない限り,結実の見込みはないということです。
あだ花になるかもしれないのに,健気に昆虫を呼ぼうと頑張っています。
同じ公園の,別の土手でもカンサイタンポポの花を見かけました。
関心を持ってタンポポの花を探ってみると,ほんのときどき,カンサイタンポポを見かけることがあります。セイヨウタンポポは勢力を飛躍的に広げ,カンサイタンポポを隅に追いやった感がありますが,とはいえ,なかなかのものです。空き地はセイヨウタンポポの一方的な勝ちですが,畔や土手はそうでもありません。踏ん張っているというか,すみ分けができているというか,きらっと光った生き方をしているみたいに見えます。
頑張れ,カンサイタンポポ!