自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キアゲハの卵と寄生バチ(7)

2021-11-03 | キアゲハ

卵殻からでたばかりのキイロタマゴバチの成虫は盛んに歩き回ります。翅が縮んでいるので,脚を使うほかないのです。かなり長い間,卵殻に空いた穴の周辺にいたり,卵殻から離れて歩き回ったりします。離れた場合,きっちりまた戻って来ます。穴の周りにいるのは,殻の中にいるきょうだいたちを待っているからなのです。穴の奥に,そのきょうだいの影が見えます。

 

うろうろしながら中を気にしています。と,そのうちに翅が突然拡がりかけました。拡がりかけても歩きます。

 

ほんのしばらく,じっとして,翅をパタパタとさせます。拡がって来た事実を感知する感覚器官がはたらいたのでしょう。翅をしっかりと拡げたくて,精一杯の努力をしているみたいです。神経系のはたらきをくっきりと感じます。

 

翅を開いたまま移動。かたちが整うまで開いているかのようです。

 

翅のかたちが整うと,翅を重ねて移動しました。

 

そうしてまた穴のところに戻ってきたのです。

 

これで飛翔能力を獲得しました。観察は具体的世界について情報を提供してくれます。情報は真実に迫る拠りどころです。

 


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