キンバエとそっくりな格好,色合いをしたハエの一種が来ました。キンバエでないのはその大きさから一目瞭然です。たしかに小柄なのです。複眼に並んだ個眼を見ても,その数はキンバエほどもなさそうです。しかし,同定することはできません。それで,キンバエの一種,小型キンバエとでもしておきましょう。
小型キンバエは歩いて花に移動しました。そして,蜜を舐めようとして口吻を伸ばしました。 頭やら口吻には,すでにたくさんの花粉が付着しています。食いしん坊なのか,お腹が空いているのか。この昆虫にとっても,マンサクは格好の蜜源になっているのです。
花に入ると,からだがすっぽり。はみ出すといった大きさではありません。このキンバエにプレゼントできる蜜の量ぐらいは,きっちり準備できていることでしょう。
ハエって,いったいどうしてこの場所がわかるのかとふしぎに思える程スゴイ感覚を備えています。台所のハエの動きを見ていても,においをちゃんと感じて機敏に降り立ちます。自然界で,マンサクを感知する能力はたいしたものです。そのしくみは生物学者によって解き明かされているのですが,理屈で説明してもらって感じ入る以上のふしぎを秘めています。