できることなら,うんと近くから昆虫の活動ぶりを撮りたいというのがわたしの基本的なスタンスです。
ケブカクロバエが懸命に吸蜜中のようなので,もちろん,このスタンスで迫っていきました。吻の様子が見えます。このときのワーキングディスタンスは2,3cmといったところ。蕊の間にからだを置くと,葯や柱頭にからだが自ずと触れます。送粉と受粉が同時に進行します。花の気持ちを察すると,飛び上がって喜びたいところでしょう。
もっとレンズを近寄せました。こうなると被写界深度が極端に浅くなってぼんやり。ただ,からだに付着した花粉がよくわかるのはありがたいところ。
ケブカクロバエはこの行動に夢中なので,撮影は簡単。
花粉の運ばれ方,蜜の効果のほどが手に取るように理解できます。
やった外に現れました。
これは後日撮影したものです。
冬は活動する昆虫の絶対数が少ないため,クロバエはいってみれば我が物顔のように吸蜜に勤しめます。よい季節に生きています。