アヤメ科の花の受粉は,クマバチのような体型の持ち主で,花の奥にある蜜を吸おうと中に入ることによって成り立ちます。これはアヤメ科の花独特の構造によるものです。よく知られた話なのですが,わたしはアヤメの群生する庭でそれを目撃したことはありません。ただ,本で得た知識が頭の片隅にあるだけ。
さて,我が家にはアヤメのなかまのアイリスが庭の一角にあります。ほんの20本程度です。花が咲くころになると,クマバチがやって来ないか気にしているものの,これまで目撃したことはありません。たぶんクマバチが多い地域なら確実に訪れるのでしょう。
ところが先日,庭の手入れをしていてその場面を目撃したのです。あいにく腰にデジカメを携行していなたったのでとっさの撮影が叶いませんでした。その瞬間は花に入っている様子がありありとわかったのに……。急いで家の中からカメラを持って来て,なんとかそれらしいコマを撮りました。
「まだ,いたー!」。離れたところからの撮影ながら,うれしい証拠写真となりました。
そのあとは,去って行きました。
花のかたちには招きたい虫に応じたしくみが隠されています。これを実感。
それから,やっぱりカメラは常時携行ですね。改めてよき教訓です。