胚珠を観察したくて,子房を解剖することにしました。
まず,萼と花弁を除いて子房の膨らみを確認しました。オレンジ色の部分は蜜腺ではないでしょうか。オシベの根もとにあるもじゃもじゃの毛は,蕊を保護するとか,蜜が簡単にとられないようにとか,なんらかの意味があるはず。
子房を縦に切って断面を見ました。切るのは思ったほどむずかしくはなく,カッターナイフでじゅうぶんでした。白い胚珠が2個向き合ったように入っています。
拡大すると,一層わかりやすくなります。
次に,子房には胚珠がいくつ入っているのか,見ることにしました。別の花を使って,まず上方向から見てみましょう。蜜腺から蜜が滲み出しています。
この子房を横方向に切って,断面を見ましょう。胚珠の個数がわかるでしょう。4個です。アサガオなどと似通っています。
ここまで来れば,サツマイモの花の構造がかなり見えてきました。
あの畑のサツマイモはごくふつうの品種です。なのに,あの場所でだけ,どの株にも,といってよいぐらいに花が咲いているのです。ふしぎでしかたありません。ここまで追求が深まったのも,偶然の出合いのお蔭。感謝。