時折だった動きが連続しかけると孵化の兆候です。それを待ち続けるとよいのですが,頻繁に確認していかなくてはならないので,とにかく辛抱がいります。今回わたしは,ほぼ10分ごとに確かめるようにしました。これを見逃したら,もう卵は残っていないのですから。
そして夜。急に動きが激しくなる瞬間をとらえました。いよいよ孵化時を迎えたのです。殻が破られかけました。
顎を使って出口を広げていきます。
出口がぽっかり開きました。頭部がすっぽり出られそう。幼虫はこのことをちゃんと感知しています。
ゆっくり出始めました。
頭をぐっと伸ばしました。身を乗り出す格好です。
着地。
そのまま真っすぐ出て来ました。
多少褐色を帯びたところもありますが,白に近い色をしています。こんな大きなからだが先ほどまで殻に入っていたのかと疑うほどの体型です。
待ち続けた甲斐がありました。「おめでとう」の瞬間を目撃できたのですから。