おもしろいことを思いつきました。
ベニシジミはからだを蓑のような体表ですっぽり覆っているので,からだのつくりがよくわかりません。口や脚がほとんど観察できないのは,なんだか惜しい気がします。それで,ガラス板に載せて写したらどんなふうになるか,興味が湧いてきました。
さっそく,からだの下から覗いてみました。体形はまるでゾウリムシそっくり。口器も胸脚も腹脚も肛門も,これだけ内側に位置していれば,外側からは観察できないはず。緑色の蓑が覆っていることで,葉の緑にどこまでも似せているのです。
歩くとき,頭が前に突き出てきました。ゆっくりした歩き方ですが,ゆっくりなりに,脚をうまく使った巧妙な動きに見えてきました。
今度は側面を撮りました。頭は左側です。ほんとうにふしぎなかたちです。みごとなラインといってもいいでしょうか。
前から見ました。頭がほんのすこし覗いています。
そのままにしていると,頭部を突き出して歩き始めました。口器と眼が見えます。
縫いぐるみの先に,頭部が収まっているといった感じです。しっかり大きく歩くときは,ベニシジミの幼虫だってグッと頭を出すことがわかります。
意外な窓をとおして撮影することで,思いがけない世界が拡がりかけます。