昆虫を観察したり撮影したりしていると,名がわからない個体がたくさん出てきます。できればわかればいいのですが,昆虫の種の多さから考えると,わからなくって当たり前だという幾分開き直った気持ちも要りそうです。
とはいえ,できればわかることに越したことはありません。だって,名がわかれば生態についての調べが発展していきますから。
そんな気持ちを持ちながら,わからないままにしている種が随分あります。そんな中で,ある日,突如として情報が得られるということもあります。そういうときは,とにかくうれしいものです。その一例がクロヒラタアブの幼虫です。
先日,クロヒラタアブの成虫がマンサクの蜜を舐めにやって来ている場面を写真に収めました。それの越冬態について調べているうちに,幼虫のかたちがわかったのです。それは,昨年11月下旬に我が家のキクの花に付いているのを見かけた幼虫でした。
白い,やや大型の幼虫でした。そのときはまったく正体不明のままで,「マア,いつかわかるだろう」ぐらいの気持ちで,そのままにしていたのです。
からだに花粉がたくさん付いていたので花粉でも食べていたのかもしれませんが,肉食性の幼虫のようで,アブラムシを食べることがわかっているようです。もしかすると,アブラムシがその辺りにいたのかも。
マンサクを介して幼虫と成虫がつながって見えてきました。できれば,蛹もいつか見たいものです。