自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

野草紙づくりのサポート(5)

2024-09-28 | 野草紙

おしまいは,アイロンを使った乾燥法の話をしましょう。

下写真の紙料はススキです。

 

この場合はステンレス網から湿紙を離す必要があります。そこで,固定式の網に変えて,下の木枠に取り外せる網か竹簾かを載せ,さらにその上にチュール布をおいてから漉きます。こうして漉いた湿紙の上にもチュール布を載せます。つまり湿紙はチュール布に挟まれ,サンドイッチ状になった状態です。

 

このまま水切り板で圧を加えて,できるだけ水を切っていきます。一気に水切りをすると湿紙が変形する恐れがあるので,じわりじわりと両手で力を加えます。これはふつうの場合。

今回は時間を節約するために万力を使用しました。

 

その後,新聞紙で水分をさらに除きます。新聞紙を交換しても湿らなくなればOK。あとはチュールを外して,布で挟み,アイロンがけをします。紙の腰を強くするには薄めた膠液を塗るのがお奨めです。

アイロンがけは乾きムラが出やすいので注意が要ります。ムラが出たまま放っておくと紙が反ります。これを防ぐために,乾いたと思ったら本に挟み,重しを載せておきます。そうすることで熱が紙全体に均一に行きわたることになります。結果,フラットな紙になります。下写真の紙の出来はまあまあです。

 

これでススキ紙の出来上がりです。