古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

福地池(伝説)

2010年03月08日 04時54分21秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 うちの裏山の向うはため池になっています。このため池の伝説を『三木市の史跡と神社仏閣』という本から紹介します。この本は三木市老人会連合会が平成新元号記念誌として昔からの言い伝えを集めた本で、数多くの言い伝えが載っています。なお写真はため池の土手で、高い堤の中ほどに小さい祠(ほこら)が祀(まつ)ってあります。

        福地池 (伝説)

 この福地池について『口吉川郷土読本』に、その伝説を述べている。昔、この池の堤がよく崩れた。農民達は再三の修築に疲れ果て、遂にはほとんど再築する力がなくなり飢餓が迫ろうとしたときがあった。
 そのとき福寿坊という坊さんがいて、これを憐れみ農民を救うことを思い立ち、人柱を立てて堤を築けば再び崩れることはなくなると云い、自ら人柱に立つことを約束して再築を勧めた。
 農民達はこの坊さんの犠牲心に感じ、死力を尽くして再築にかかり、福寿坊は約束通り人柱となって、ようやく修築が完成した。その後、この堤は崩れることがなかったという。人達はこの福寿坊の恩に感謝して、この池を福寿池と呼んだが、いつの頃からか福地池と云うようになった。
 
 言い伝えですから真偽はわかりません。村人のよく知っている話です。特別な儀式や祭りはありませんし、祠にお参りする人もありません。この池の土手はかなり高く、年に二回隣り村と共同で草刈りをします。刈って数日すると草を焼くのですが今年は雨が多く、焼くのが遅れています。ぼくは散歩で土手の下を通るとき、心の中で拝むことにしています。この言い伝えを、遠い感覚でやり過ごすときと、生々しくその場面が迫るときがあります。
 言い伝えってパワーをもっていますね。
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