◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「めぐり合えません」って?

2010-09-08 20:34:54 | 気になる言葉、具体例
                                    道具は道具
 「○○先生にめぐり合うことがなかったら」というテロップを見たことがあります。こんなのはすぐに変だと分かりますよね、正しくは「巡り会う」です。そして、先日たまたま見た文章の中に「なかなかめぐり合えません」という記述があるのを見付けました。えーっ、そんなぁ~~~( ̄д ̄)?
 巡り会う、巡り巡って出会うこと、なのに・・・どうして・・・一体どこから「合う」なんて出てきたのでしょうか。試しにIMEで「めぐりあう」と入力して変換すると、「めぐり」+「あう」で、「巡り」と「会う」を自分で選んで組み合わせるようになっていました。つまり、「めぐり」と「合う」を選べば「めぐり合う」になるのです。ということは、自分で選んだのか? あるいは、何も考えずにたまたま出てきた最初の候補をEnterしてしまったのか?
 今度は、IMEよりはるかに賢いATOKでやってみました。すると、やっぱりね、一発で「巡り会う」になりました。「めぐりあう」→「巡り会う」、「めぐりあえません」→「巡り会えません」です。で、またIMEに戻り、「めぐりあえません」と入力して変換してみました。むむぅ~( ̄ ̄)、「めぐり合えません」になりました。予想どおりですが、なんともはや・・・、こんなことでは、なかなかどころか永遠に巡り会えませんよ。
 そもそも、「合う」の否定は「合わない」でしょ、「合います」の否定は「合いません」ですよね。同様に、「会う」「会わない」、「会います」「会いません」で、「会うことができない」は「会えない」と言いますが、「合う」はそういった言い方はしませんね。「合わせることができない」とは言いますが、「合うことができない」とは言いませんし、「合えない」「合えません」なんて言いません。「合わない」「合いません」です。
 ワープロなんて賢いようで賢くないのですから自分で変換結果をチェックしないといけませんね。とはいえ、急いでぱぱっと書いてうっかり見逃すことはだれしもあります。私だって、気軽に書いたコメントで誤字に後で気づくことがありますからね、「めぐり合う」はまだ分かる、単純なミスだと思えるのですが、幾ら何でも「めぐり合えません」はちょっと~(^^;)、おかしいということに気づかなければいけませんよ。
 それに、こういうのを見付けてしまうものですから、もしかしてこれを書いた人はテロップの「めぐり合う」を見て脳にばっちり焼き付いたのではないか、なんて思っちゃうわけですよ。今や、メディアそのものが、及ぼす影響の大きさを考えないで変な日本語を流し続けるスーパースプレッダーですからね。

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