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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ルイ・ヴィトンと現代アート

2012-07-21 12:06:11 | アラカルト
昨日、一部新聞のWEBサイトなどに「ルイ・ヴィトンが草間彌生とコラボ」という内容を報じていた。
ルイ・ヴィトン公式HP「LOUISVUITTON KUSAMA」

草間彌生さんと言えば、日本を代表する前衛芸術家だが、一般的に知られる様になったのは、auのiidaシリーズ「Art Editions」シリーズからだったのではないだろうか?
この時、携帯電話に前衛芸術は必要か?という指摘もされた様に思うが、それよりも「何?この携帯電話??」と、話題性はあったもののある種の「際物」として扱われてしまった感があった。
実際話題にはなったが、この携帯電話を持っている、と言う人にお目に掛かったことはない。

草間さんご自身はご自分の制作活動を続けられていたし、ベネッセが瀬戸内海の直島・豊島・犬島などで展開をしている
ベネッセアートサイト直島」
には、草間さんの作品として有名な「水玉模様のカボチャ」が桟橋に置かれ、島を訪れる人を出迎えている。

ただ「前衛芸術」と言う性格上(?)、草間さんの作品については「好き・嫌い」がハッキリ分かれるようだ。
何より「芸術作品?」と、思っていらっしゃる方もいるかも知れない。

その草間さんの「水玉模様」をヴィトンが起用し、バッグだけでは無くヴィトンが現在積極的に展開をしているアパレルにまで起用するという。
日本のヴィトンショップのウィンドウに、草間水玉模様のヴィトンのバッグやアパレルが、飾られる日も近い、と言うコトだろう。

元々ヴィトンは、日本の現代アート作家には理解があり、数年前には村上隆氏の作品を取り上げ話題になった。
その後、ヴィトン社がヴェルサイユ宮殿で村上氏のアート展を開催するにあたり、フランスで「ヴェルサイユ宮殿を冒涜している」と、問題にもなったので覚えていらっしゃる方も多いのではないだろうか。

その様な流れから考えると、ヴィトンが草間さんを起用するのは判らない訳では無いが、日本の市場であの水玉のヴィトンを買いたい!是非持ちたい!と言う人がどれほどいるのだろう?と、考えてしまうのだ。
まぁ、ヴィトンがスポンサーとなった芸術作品を購入し、使う、と言う気持ちなら大丈夫だと思うが、ヴィトンの新作!と言う程度では、日本では難しいと言う気がする。

経済誌が考える「少子化問題」

2012-07-20 11:27:54 | ビジネス
今週発売の東洋経済は、「不妊」を特集している。
実は、今回の表紙を見て「時代なのかな~」とある種の感慨にふけったのだった。
と言うのもこの表紙には「不妊の原因の半数は男性です」と、書いてあったからだ。

結婚をすると「早く赤ちゃんが欲しいでしょう」と言われ、2年ほどで出産をしないと「赤ちゃんはまだ?」と聞かれ、女の子を授かると「今度は、男の子だね」と言われてしまう。
現実には、ひとりの女性が出産する人数は、1.3人程度。
もちろん、私のように結婚も当然出産も経験しない女性も、今では当たり前の存在となりつつある。
「出産・育児」はあくまでも、個人というか家庭のコトであって、社会のコトではなかったのだった。

実は暫く前、「不妊」をテーマにしたテレビ番組が、大反響を呼んだと言うのをご存じだろうか?
NHKスペシャルの「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」だ。
男性は度ごとに精子が作られるのに対して、女性の卵子は生まれた時にその数が決まっている。
そしてある年齢を境に、劣化して行くと言うのだ。
いわゆる「高年齢出産」と呼ばれる年齢は、卵子が老化し始めた頃の出産という意味でもある。
卵子の老化=子どもへの影響という意味ではないが、「高年齢出産」と呼ばれる出産は様々なリスクを抱えている、と言う指摘は随分前からされていた。
そして今一番問題になっているのは、晩婚化による「不妊」という点だと言われている。
晩婚化によって、妊娠し難い状態になり、それが「不妊」へと繋がっている、と言う指摘がされ始めているのだ。

では、何故今頃「東洋経済」という経済雑誌が、不妊を取り上げるようになったのだろう?
もちろん、少子化によって国内の経済的活動が、低下すると言う懸念もあると思う。
思うのだが、あえて「不妊」というコトを取り上げている、と言うコトを考えると「男性たちも不妊に対して理解をする必要が有る」と、考えているからだろう。

上述した通り、日本では「不妊=女性の問題」となりやすい。
多様な価値観の中で、コト「妊娠・出産・育児」については、女性がやるもので終わってしまっている。
もちろん最近では「イクメン」と呼ばれる、育児に積極的な男性も増えては来ているが、社会全体としてはまだまだ。
しかし社会全体として考えると、少子化を含めた子どもの問題と言うのは国の将来に関わるコトでもある。
今回、東洋経済が「不妊」というコトバを使っているのは、表紙の「不妊の原因の半分は男性」のコピーが現すように、男性も「社会の問題としての少子化」を考える必要が有る、と考えたからだろう。
言い換えれば、社会のグローバル化を考えると、あらゆる面で国力の低下を招く可能性が高い、と言うある種の危機感の様なものを感じたのだ。
(適切な表現ではないとは思うが)「子ども」という未来への投資のために、女性ばかりの問題とせずに男性も考える必要がある・・・そんなコトを、経済誌も言い始めたと言うコトなのかも知れない。


民主主義の国なんだから・・・

2012-07-18 19:59:09 | 徒然
連休中、新聞などで話題になったことと言えば「電力会社社員が、政府のエネルギー意見公聴会で、原発再稼働についての発言をしていた」と言うコトだった。
ここ名古屋では、中部電力の社員が一般募集に応募し、選出され発言した、と言うコトだった。

この問題に対して、新聞だけではなく社会全体が「電力会社社員が、発言するのは問題」という感じになっている。
おそらく、この様な意識が有るのは以前「やらせ」として、原発推進の発言を電力会社がさせていた、と言う経緯があってのことだと思う。
確かに「自分たちの意見を優位にする為に、関係者を意図的に集め、自分たちに優位になる様に仕掛ける」というコトは問題だと思う。
ただ、今回の場合は一般募集と言うコトで応募し、選ばれたと言うコトを考えると、主催者側が意図的にその社員を選んでいるのではないので、多様な意見の一つとして認められても良いのではないだろうか?
まして、国が排除すると言うのはどうなのだろう?

このことに対して、大阪の橋下さんも「違和感を覚える」と発言をしている。
電力社員排除に「違和感を覚える」 橋下市長が政府対応批判(紹介記事は産経新聞)

「電力会社社員だから原発推進」と言うのはわかりやすく、批判もしやすいと思う。
でも、そんなに簡単なコトだろうか?
「意見公聴会」という場所は、原発推進派も脱原発派も同じ土俵で話し合うコトが、重要なのでは?
もしかしたら、社員という立場ではなく個人の考えとして「原発があることで豊かな生活を維持できる」と考え発言したとすれば、それもまた一つの考えであり意見だと思う。
多様な意見を出し合うコトで、将来的な日本のエネルギー政策ができるはずだし、その意見を国民から聴くための場なのだから。

民主主義の国なのだから、もっと多様な意見が自由に出せるコトの大切さを、考えた方が良いのでは?
一つの意見だけが正しいのではない。
多様な意見があるからこそ、「一部の意見の暴走を止める」コトもできるのだから。
本当に問題なのは「原子力委員秘密会議」のように、私たちが知らない間に「密室で重要なコトが決まり、取り返しの付かないコト」になるコトなのでは?

コンビニ、侮れず・・・トレンドに敏感なコンビニ

2012-07-17 19:21:57 | ビジネス
今日、チョットしたお遣い物が必要となり、近所のパン屋さんに出かけた。
パン屋さんではあるが、目的はクッキー。
結局今回はクッキーは買わず、他の小さなパンを買って帰ってきた。

私が出かけたパン屋さんは、「ふすまパン」専門店。
「ふすまパン」と言っても、知らない方が多いかも知れない。
小麦ふすまだけを使って焼いたパンのコトで、糖質が少なく繊維質やミネラル分が多いパンのこと。
繊維質が多いコトも有り、腹持ちも良く通常のパンよりも少ない量で満足できる、と言う点もあるようだ。
そのため糖尿病や食事制限をされている方などが、安心して食べられるパンとして注目され始めている。
もちろん、糖質が少ない=ダイエット向きというコトも有り、最近では若い女性を中心に密かに人気になりつつあるようだ。

私がこのパン屋さんを知ったのは、オープンしたての頃。
以来時々お店を覗くと、確かに中高年のお客さんが中心ながら、なかなかの人気となっていた。
ただこの「ふすまパン」、通常の焼きたてパンのお店などに比べると2~3倍の値段。
パンとして考えると、相当高価なパンでもある。
1斤1,000円近くするパンを、そう気軽に買われる方も多くは無いと思う。
それでも、糖尿病の方にとっては安心して食べられるパン、として一種のサプリメント的な意識で、購入される方がいらっしゃるのでは?と、想像している。

とは言うものの、「ふすまパン」についていろいろお店の方にお話を伺うと、最近ではローソンなどでも「ふすまパン」を扱う様になった、と言うコトを聞いた。
ローソン「とっておき宣言・ブランシリーズ」
「ブラン」というのは、英語の「ふすま」のこと。
価格を見ると、通常のパンとさほど変わらない程度の値段。
と言っても、もちろん私が出かけた「ふすまパン」のパンとは違い、通常の小麦粉にふすまを混ぜた程度のもののよう。
とは言うものの、この様なトレンドにコンビニが敏感に対応している、と言うコトに少し驚く。

おそらく「プレミアムロールケーキ」の頃から、コンビニは「チョット贅沢・日々のご褒美プレミアム」という、商品開発をしてきた。
その多くは、いわゆる「スィーツ」が中心だった。
その後、「焼きたてパン」や独自のパンを作る様になってきた。
それらの商品も「素材にこだわった、チョット贅沢感」のある商品だった。
その延長として、ローソンは「ブランシリーズ」を作ったのだろう。
そして今度のキーワードは「おいしく・健康+プレミアム」と言うトコロだろうか?
もちろん購入対象として考えているのは、20代後半~30代の女性。

コンビニでこの様なパンを扱うのであれば、デパ地下の焼きたてパンのお店でも扱ってもおかしくないと思うのだが、どうやら「小麦粉にふすまを混ぜました程度」では、難しいのだと思う。
デパ地下に入る焼きたてパンのお店の多くは、フランスなどのグローサリー店からその名前を使っているコトも有り、フランスの本店にはないパンは作れないのだと思う。
逆に、その様な「しがらみ」のないコンビニだからこそ、敏感にこの様なトレンドをつかみ、商品化するコトができるのかも知れない。





災害と地球温暖化・・・

2012-07-16 21:35:20 | 徒然
明日は、京都の祇園祭りの中でも一番のお祭り「山鉾巡行」。
この「山鉾巡行」が終わる頃には、例年梅雨明けとなる。
それが今年の梅雨は、九州北部地方で記録的な大雨を降らせ、亡くなられる方も30名近くとなる、大災害をもたらした。
被災された方々には、お見舞い申し上げます。
そして亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

そんな被災地がある反面、昨日・今日の名古屋は真夏日となった。
家に居ても、汗が噴き出る様な暑さ。
毎年のように感じるコトだが、年々情緒を楽しむ様な季節感がなくなり、「暑い・寒い」のやや極端な季節と成りつつある様な気がしている。

それを「地球温暖化」というのだと思うのだが、ここまでくると「地球温暖化」を止めるコトが難しい様な気がしてくる。
もちろん、エルニーニョ現象とかラニィーニャ現象などの影響で、猛暑となったり冷夏となったりするコトは判るのだが、その様な自然の現象とは別に「快適さを求めた結果としての地球温暖化」の歯止めは、なかなか難しいのでは?と、感じてしまうのだ。

「大飯原子力発電所」再稼働以来、全国各地で「原発稼働反対」のデモが行われている。
そのデモについて、アレコレ言う気は無い。
ただ、そのデモに参加している人たちの中で、どれだけ「エネルギーを使わない生活」を実践為ているのだろう?と、考えてしまう部分もあるのだ。

「原子力発電」の大きな魅力の一つが、「COの排出が少ない」という点だった。
「フクシマ事故」以来、「自然エネルギーへの転換」が図られているが、今の生活を維持して行くまでには至っていない。
とすれば、今はとにかく我慢をしてエネルギーを使わない生活をするしかない、と言うコトになる。

デモに参加される方の多くは「フクシマ事故」のようなコトがあってはいけない!と言う、強い思いを持っていらっしゃる方ばかりだと思う。
「放射能汚染が怖い」と言う方もいらっしゃるとは思うが、原発の問題は「放射能」だけの問題ではない。
「放射能とエネルギーの問題」なのだ。
様々な自然エネルギーの提案がされはじめ、動き始めてはいるが、今はまだ「始まったばかり」。
むしろ、今の「我慢をしてエネルギーを使わない生活」が、当たり前になれば「日本が必要とする総エネルギー量」そのものも見直す必要がでてくるかもしれない。

そうなれば、20年、30年・・・もっと先に「地球温暖化」が止まるかも知れない。
最近の局地的豪雨などの災害のニュースを見る度に、そんなコトを考えるこの頃だ。


これからのマンションの標準となるのだろうか?屋上緑化

2012-07-15 19:22:38 | ビジネス
週末の新聞折り込み広告、と言えば
1.家電量販店
2.ユニクロ
3.マンション
と言ったトコロだと思う。

リーマンショックの頃は、マンションの広告が随分減った感があったのだが、ここ1,2年は回復したような気がしている。
といっても、同じマンションの広告が比較的長期に渡って、入ってくると言うコトを考えると、完売するまでに時間が掛かるのか?と言う気もしている。

最近のマンションの広告を見ていると、「ペアガラス」や「省エネ」設計というのは標準になりつつある様だ。
特に昨年の「東日本大震災」以来、新築物件には「省エネ設計」というコトバが、当たり前の様になってきている。
その代表的なモノが、「ペアガラス」と呼ばれる「二重窓」。
冷暖房の効果を高めるだけではなく、マンションの問題点である「露結」も解消する、と言うコトで、気密性高い戸建て住宅でも当然のようになってきたようだ。

そんな中で「屋上緑化」のマンション、と言う広告が入ってきた。
と言ってもこのマンション、着工前で建設予定が決まり、募集前のお知らせ広告。
それでも「屋上緑化」、と言う謳い文句にはチョット驚いた。

「屋上緑化」の利点というのは、随分前から言われてきた。
特に都市部のヒートアイランド現象解消の一つとして、「壁面緑化」と並んで「屋上緑化」は、期待される対策法と言われてきたと思う。
しかし「屋上緑化」をする為には、構造的に相当頑丈な造りにしないと難しい、と聞いたコトがあるからだ。
それだけではなく、緑化する為の土を運び入れるのも大変で、当然管理という問題もある為、なかなかマンションなどの集合住宅や、オフィスビルなどでは実現するのは難しい、と言われてきたと、記憶している。

また、このマンションは太陽光発電設備も備え、マンションの住人が使用する電力に関しては「一括購入」という方式で、電力会社から電気を購入するシステムになっている。
太陽光発電をはじめとする「自然エネルギー」の買い取り制度が本格化すると同時に、「電力の発送分離」の検討が積極的に始まるかも知れない、と言うこの時期だけに、この様なマンションは、増えていくのかも知れない。
と言うよりも、それを見越した様なマンション建築+管理の発想という気がしたのだった。

とすれば、タワーマンションが中心となっている(らしい)首都圏や名古屋の中心地は、別だと思うが、住宅地のマンションなどは「自然に配慮しつつ、住人のローコストエネルギー」が、標準となっていくのかも知れない。


クルマの未来は、どうなるのだろう?

2012-07-13 16:08:34 | ビジネス
民間だけではなく公務員などのボーナスも出た後の新聞のチラシには、自動車販売店のチラシが目立つ様になってくる。
先週は、国内各社のチラシが多かった様に感じたが、今日目に付いたのは「ボルボ」のチラシだった。

ご存じの方も多いと思うが「ボルボ」というクルマの特徴は、「質実剛健」というか「ドライブが楽しくなる」というアプローチを積極的にしているクルマではない。
「FUN TO DRIVE」をキャッチコピーとして使っていたトヨタとは、クルマにたいする考えそのものが違う、と言う感じのするメーカーだと感じている。
そんな「ボルボ」のチラシで目を引いたのは、「セーフティー」というアプローチを盛んに訴えている点だった。

その一例が「遠赤外線レーザーで前方車両への衝突回避・軽減」という装置を標準搭載している、と言う点だろう。
他にもオプションとして、「ミリ波レーダーとカメラで車両や歩行者を検知」する機能とか「交通の流れにあわせて加速・走行・減速・停止までも自動コントロール」する様な機能まで搭載している。
もちろん、これらの機能を搭載しているからと言って、自動車事故が無くなる訳では無いと思う。
「クルマを運転する」為に免許が必要な理由は、「運転者として、必要最低限な運転技術と運転の知識」が無くてはいけないからだ。
ただ、この様な運転アシスト機能が、搭載される様なクルマが市場に登場し始めた、と言うコトが大きなポイントだと思う。

今週だったと思うが、「超小型車」について新聞などに掲載されていた。
「超小型車」というのは、今の軽自動車よりも小さい2人乗り用のクルマのこと。
現在の「スマート」の様なクルマを、高齢者などを対象に積極的に開発しては?と言う動きが有る、と言う内容だったと思う。
「スマート」クラスのクルマなら、高速道路を長距離走ると言うイメージよりも、ご近所の買い物程度での利用が中心だろう。
それなら、EV車として開発をしても現実的だろうし、何より「高齢者の足代わり」と言うサイズイメージには、ピッタリくるという気がしないわけではない。
ただし、昨今問題になっている「高齢者ドライバーの事故」という問題を解消するコトを最優先されなくては、意味が無いと思っている。

でも、もし「スマート」の様な「超小型車」が一般道を走るのであれば、「ボルボ」の様なセーフティー機能を、「超小型車」だけではなく、一般車両にも搭載する必要が有ると思う。
そしてその様な技術は、おそらく日本のメーカーは持っているのでは?

今日本の自動車メーカーはEV車の開発に熱心だが、一方ではこの様な「自動車だけではなく、歩行者も含めた安全なクルマ」の開発も忘れてはいけない点だと、改めて感じたのだった。



被災地支援のカタチが変わり始めた

2012-07-12 17:46:12 | ビジネス
サントリーという企業を説明する時、「サントリー文化」というコトを外す訳にはいかない。
それほど、サントリーという企業は「お酒をつくる企業」というだけでは無い、側面を持っている。

もちろん、日本には文化活動に熱心な企業も少なくない。
世界的に誇れるブリジストン美術館のブリジストン(現在は「公益法人・石橋財団」が運営)や、ベネッセが瀬戸内海の直島全体で展開をしてる「アート活動」などがある。
ベネッセの「アート活動」の場合、直島とその周辺の島で美術展が定期的に行われ、それがいまでは海外からも注目される美術展となりつつある。
その中でも、サントリーは「サントリー芸術財団」を持ち、「サントリーホール」や「サントリー美術館」など、文化事業にも熱心な企業として知られていると思う。
「サントリー芸術財団」そのものは、公益法人化されているので基本的には企業としてのサントリーとは、別の団体と言えるのだが、その活動の歴史を考えるとやはり「サントリー文化」の一つとして見るべきだと思う。

そのサントリーホールで、この夏チョット変わった演奏会が有る。
若いミュージシャンによる 『みちのくウインド・オーケストラ』世界へ Swing!-パリ、ニューヨーク、ウィーンの若きアーティストと一緒に-と言うタイトルの、コンサートだ。
「みちのく」というコトバが有る通り、昨年の東日本大震災で被災した中高校生の吹奏楽部の生徒たちと海外の若い音楽家たちとの交流コンサートだ。
おそらく、被災した東北の子どもたちにとってはとても素敵な体験となるのでは?

それだけでは無く、サントリーはウィーンフィルと共同で「音楽復興基金」を昨年設立している。
11月には、ウィーンフィルのメンバーが来日し、東北でワークショップを開いたり、コンサートを予定している。
世界的な交響楽団のメンバーから、直接指導を受けながらのワークショップというのは、日本では珍しいと思う。
随分前に、ジュリアード音楽院の「若い音楽家のためのワークショップ」というのをテレビで見たことがあるが、講師として登場するのがジュリアードの教授として招聘されたばかりのウィントン・マルサリスやヨーヨー・マ。
ワークショップに参加している若い音楽家たちの輝く様な目は、とても印象深く、こんなワークショップが日本でもあったら良いのに・・・、と思ったコトを思い出した。

震災から1年4ヶ月が経過し、被災地の人たちの生活も変わり始めただろう。
未だに住居や仕事への不安が有る中での生活だと思う。
それでも、被災直後と同じ支援では意味をなさなくなってきているはずだ。
継続的な支援は必要だと思うが、その支援の内容は少しずつ変わり始め、企業の支援内容も変わってきている、企業が得意とする分野での支援。
そんな気がする、サントリーの被災地支援活動だ。




既存のイメージを壊す

2012-07-11 11:54:51 | アラカルト
大阪市の橋下さんが「府立中之島図書館」の廃止を言い始めたのは、先月のコトだった。
その後どうなったのかは、知らないのだがこのとき「図書館の持つ社会的役割」というコトを考えるきっかけとなった様な気がする。

実家から名古屋へと戻る高速バスが、大阪市内に入りしばらくすると高層ビル街が突然タイムスリップをしたような、クラシックな建物がいくつか目に飛び込んでくる。
そのクラシックな建物の一つが、府立中之島図書館だと思う。
それらの建物を見る度に、「大阪の人がうらやましい」と感じていた。
戦時中の空襲を逃れ、明治~昭和初期に建物が悠然とした姿で残り、今でも使われているからだ。
決して「クラシックな建造物」だけで終わっていない、と言うのは都市としての魅力だと思っている。

橋下さんもそれは認めているようだが、「図書館」としての機能となると「不要」というコトらしい。
本当にそうなのだろうか?
これまで、新聞などに寄せられた利用者の声というのは「ビジネス街にたくさんの蔵書が有る図書館は、必要」という内容が多いようだが、「図書館」というこれまでイメージしてきた、「枠」の様なモノを壊す位の提案が府民・市民から出てこなくては、今の橋下さんを説得するには厳しい様な気がする。

では、「図書館」というこれまでのイメージの枠を代える、と言うコトはどういうことなのか?
これは図書館に限らず、美術館などにも言えるコトだが「知の集積広場」と考えると、少し違った視点が生まれるのでは?
もっと違うコトバで言うと「公立図書館は、本の無料貸し出しと無料自習室の提供が、本業なのか?」というトコロから考え直す位のコトだ。
せっかくすばらしい蔵書があるのであれば、その蔵書を使ったイベントをしたり、美術館の企画展示と連動させた企画があってもおもしろいと思う。
他にも補助金が減額されると話題になった「文楽」と、関連書籍を提示しながら、上演するコトでより「文楽」への理解が深まるかも知れない。
まして重厚で趣のある「府立中之島図書館」なら、もっとその魅力が伝わるのでは?

それだけでは無く、図書館が積極的に出版活動をしても良いのでは?
実際、地方の公立図書館では「地元をテーマとした」出版などを手がけているトコロもある。
見方を変えれば、図書館は地域の伝統や文化を「コトバや文字・絵で継承して行く場所」でもある、と考えられる。
電子書籍化と地域の文化の継承・保護という視点で、もっと情報を発信する、と言うコトができるのも「図書館の役割」だろうし、そこに人が集まるコトで「広場」となるのでは?

今まで「それが当たり前」と思っていた、イメージを壊すコトでより豊かな提案が、できるのでは?
それはビジネスについても、言えるコトだが・・・。







男性諸氏の皆様、奥様の病気のコト気にかけていらっしゃいますか?

2012-07-10 20:03:12 | ライフスタイル
日経新聞のWEBサイトを見ていたら「40代になったら 夫が知っておくべき妻の『がん』」と言う、記事があった。

ご存じの方も多いと思うのだが、日本人の死亡原因の第1位は「がん」。
男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がんに罹患すると言われている。
だから「がんは怖い病気だ」と決めつける傾向が有るのだが、その実日本における「がん研究」は、とても進んでいる。
私自身乳がんという病気になったコトで初めて知ったのだが、早期発見・早期治療ができれば、高い確率で完治すると言われている。
乳がんを例にとると、私の様な「0期・非浸潤癌(リンパ節転移ナシ)」で有れば、98%以上で完治が見込める、と言われている(ただし乳がんの場合、術後10年~20年に再発するケースがあるため経過検診などは、長期的にする必要がある)。
治療法についても、手術から放射線治療や化学療法(分子標的薬や抗がん剤による治療)など、病気の状況や患者のライフスタイルや年齢、体力的なコトを考え、患者自身が選択できる時代にもなっている。

しかし、テレビドラマの影響だろうか?未だに「がん=死の病」というイメージが一般的だろう。
患者としてはとても残念な気がするだけでは無く、この様なイメージが、がん患者の就労などを難しくさせている、と感じている。
最近では「がんは治療しない方が良い」という考えの医療者の方の本が、ベストセラーになることも、患者としては懸念している。
「がんは治療しない方が良い」というのは、相当進行・転移した状態の場合だと思われるのだが、この様な本のタイトルだけを見て「がんは治療しない方が良いんだ」と、断片的な情報で判断する怖さも、知られていないように感じている。

そして今回記事として取り上げられた「女性のがん」だが、意外なコトに奥様が乳がんや子宮がん(「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類)に罹患されると、夫である男性が受けるショックが大きい、と言われている。
場合によっては、患者では無くパートナーである夫が「がん鬱」になってしまう、と言うケースもあるという。
それだけでは無く、手術によって乳房や子宮が無くなったコトで、奥様を女性としてみることができない、と言う男性も多いと言われている。
その理由の一つが、女性のがんの代表である「乳がん」と「子宮がん」は、罹患年齢が30代~50代前半、と他のがんよりも若年期が中心だからだ。
女性として一番充実した生活を送れる世代が、「がん注意世代」なのだ。

だからこそ、男性にも女性の病気のコトを知って欲しい、と多くの女性は感じているのではないだろうか?
その意味で、日経新聞という男性読者が主体の経済紙にこの様な記事が掲載されたコトは、大きいと思う。

ちなみに「乳がん」の場合、100人に1人の割合で「男性乳がん罹患者」がいる、と言われている。
男性だから「乳がん」は関係ないと思わず「変だな」と感じたら、甲状腺外科や内分泌外科に行かれるコトをお勧めしたい。