日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

不安の正体を知ること

2011-09-19 18:43:41 | 徒然
昨夜、我が家の近くの町で花火大会があったらしく、ド~ン、ド~ンと音がしていた(紹介記事は中日新聞)。
その花火大会について、今日新聞各社のWEBサイトに記事が掲載されていた。
それが福島産花火の打ち上げ中止 「放射能の恐れ」愛知・日進と言う記事だ(紹介記事はasahi.com)。

この記事を読んで思い出したのは、つい先日あった福岡での被災地復興を支援する物産展で、福島の物産販売の中止に至った経緯だ。
その前には、京都の「大文字焼」でも同じようなことがあった。

おそらく多くの人は、京都の「大文字焼」の時には「そんなことあるはず無いでしょ」と、思っていたと思う。
それがイザ!自分たちの所へとなると、急に不安になり「放射能をばらまくのか」的な反応をしたのではないだろうか?
とすれば、「なぜ、放射能の恐れ」で福島産の物産や花火を中止しなくてはならないのだろう?
おそらく「放射能が怖い」のではなく、「がんになったら」という不安なのではないだろうか?
と言うのも、「ヒロシマ・ナガサキ」の様な「原爆症」が、物産品や花火で起きるとは考えにくい。
やはり「がんになったらどうしよう」という不安から、このような反応が起きている様な気がするのだ。

ところで、私たちがどれだけ「がん」という病気を知っているのだろうか?
実のところ、殆ど知らないのではないだろうか?
私たちが知っている「がん」というのは、テレビや映画などのドラマで知る「ある種の悲劇的不治の病」というイメージだけなのではないだろうか?
実際には、2人に1人が罹患し、3人に1人が亡くなる、と言ういわば「国民的病気」なのだ。
そしてそのリスクの高さから言えば、放射能よりもタバコの方が遙かに高い。
と同時に、早期で発見できれば、多くのがんは8割以上完治が可能だと言われている。
そのため、キチンと検診を受けることで、治療できる病気だとも言われている。
問題なのは、検診率が高い欧米ではがん死亡率が減少傾向にあるにもかかわらず、検診率が2割程度の日本は、がん死亡率が増加傾向にある、と言うことなのだ。

むしろ、タバコを吸いながら「福島県産のモノは怖い」と怖がる方が、本末転倒なのだ。
「福島県産=放射能が怖い」ではなく、「がんになるのが怖い」というのであれば、タバコを吸わず(受動喫煙下で生活をしない)、バランスのとれた食生活と適度な運動を心がけ、キチンと検診を受ける、そのことが最善の方法なのだ。
それでも「がん」になる可能性は“0”ではない。
なぜなら、私たちの体の中では毎日のように「がん細胞」は生まれ、「免疫細胞」が退治し、それでも「退治しきれない」場合があるからだ。

「怖い」正体を明らかにせず、闇雲に「放射能に汚染されている地域(のモノ)だから」と怖がることは、決して得策だと思えないのだ。