日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ハンバーガーに思う

2009-10-27 13:46:04 | アラカルト
しばらく前から、「ダイレクトなCMだな~」と思いながら見ているテレビCMがある。
それがモスバーガーのチーズバーガーのテレビCMだ。

ご存知のように、ファーストフードチェーンの中でも「モスバーガー」は、最大手マクドナルトなどとは違う展開をしている。
同じファーストフードでありながら、「手作り感」や「地産地消」的要素をPRしている。
実際、店舗に行くとマクドナルドは「30秒ルール」というコトバを象徴するかのように、「素早く調理・素早く提供」が基本となっている。
それに対して、モスバーガーは最初から「しばらくお待ちください」と言ってから2、3分後にハンバーガーが提供される。
そのどちらかが良い・悪いのではなく、それは考え方の違いなのだと思う。

そしてモスバーガーの「地産地消」をよく現しているのが、今回の「チーズバーガー」のように思う。
国内産牛肉を使い、野菜なども近隣エリアから調達。
そしてチーズに至るまで、国内産にこだわっている。

「だから、何なのだ!」といわれるかも知れないのだが、今日のYahooのトピックスや一部新聞のWEBサイトにとても興味深い記事が掲載されていたのだ。
それが、「マクドナルド、アイスランドから撤退」という内容だ(紹介記事は日経新聞)。
アイスランドの通貨である「クローナ」が昨年の金融危機以降、大暴落をしてしまったため、材料費の高騰をまねき、地元のハンバーガーショップと価格で対抗できなくなってしまったための撤退というコトらしい。

確かに、玉ねぎ1kgが良いスコッチウィスキー1本分というのであれば、商売あがったりだろう。
ポテトなど他の原材料も輸入していたのだろう。
日本の場合はどうなのか?と思い、マクドナルドのサイトでチェックをすると、鶏卵以外は海外からの輸入だというコトが分る(魚に関しては、漁獲地なので輸入とは言い切れないが)。
ということは、日本も為替の関係で価格が変わる可能性もないわけではないようだ。

だが、アイスランドのマックの撤退には、それだけではないモノも感じるのだ。
それは、「地元食材を使ったハンバーガー店と価格で勝てない」という点だ。
「世界中、何処で食べてもマックの味=世界均一の味」というのは、確かにマックの魅力だと思う。
消費量が多いため、難しかったのかも知れないが、その味を地元食材で作ることが出来なかったのか?という点だ。

「ハンバーガー1個でも、グローバル経済に影響されているのだ・・・」と、考えさせられる記事でもあり、「地産地消型ファーストフードのあり方」というコトも考えさせられる内容でもある。