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中止にして良かったね、「アニメの殿堂」

2009-10-23 21:11:39 | アラカルト
毎日新聞のWEBサイトに、国際マンガ図書館:世界最大規模、明治大が14年度設立へという記事が掲載されていた。
Yahooのトピックスとしても取り上げられていた内容なので、ご覧になられた方も多いのではないだろうか。

この記事を読んで思い出したのは、中止になった「アニメの殿堂」とか「国立マンガ喫茶」と揶揄された「国立メディア芸術総合センター(仮称)」のことだ。
政権交代で真っ先に中止となった事業の一つだが、このような建設計画が進行していたというコトを知ると、本当に中止になって良かったと思う。
というのは、収蔵される内容が充実していなければ、やはり意味がないからだ。
既に明治大学で14万点という作品などが集まっているとすれば、もし建設が決まったとしても、十分な作品が集まったのか疑問だからだ。

もう一つは、明治大学が寄贈されたような「同人誌」が、どれだけ国立施設が集められたのか分らないからだ。
いわゆる「コミケ」と呼ばれるイベントで販売される「同人誌」は、一般書店に並ぶことがない。
ところがその「コミケ」市場は、思いのほか大きいといわれている。
1回の「コミケ」で、100万以上の売上を上げる「作家」もいるという(といっても、私がこの話を聞いたのは10年以上前で、当時「コミケ」通いをしていた知人から聞いた話だが)。
知っている人は知っているが、知らない人にはまったく知らないというのが、「コミケ」でもあるのだ。
そのようなマイナーというか、インディーズのような「同人誌」を国の施設が集める、というコトはとても難しいように思える。

ところがこのマイナーというかインディーズ的「同人誌」は、海外からの人気も高いといわれている。
これまで「国立メディア芸術総合センター(仮称)」の話題というと、有名な漫画家さんたちばかりが目立っていたのだが、むしろこのような「同人誌」こそ、収蔵されるモノなのかも知れない。
その点で、今回の明治大学の「マンガ図書館」がカバーしている。
その意味でも「総合的な内容」になるのではという、期待がある。

それにしても・・・この「国立メディア芸術総合センター」を立案した時、明治大学がこのような作品を収蔵しているという調査をしなかったのだろうか?