恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
この世への執着や心の重さが成仏を妨げる
先の続き・・・
若い時、好きな方とデートでもしますと、
「早く帰らなくてはいけないよ」と
言われていても気付いたら、「あら、もうこんな時間」と、
知らない間に時間が過ぎているのです。
楽しい時間というのは早く過ぎ、嫌な時間は長いもので、
私たちの一日も同じことです。
ものすごく心配な事があったり、恐怖に襲われたりしておりますと、
一日が無限に長く思われます。
早く夜がこないかな、寝てしまうと忘れられるのにと、
夜のくるのを待ち望みます。
ところが夜になったら寝られないでああ長い夜だなあと言って
朝まで待たなくてはいけません。
しかし幸せで楽しい時間というのは、一日があっという間です。
私などは「夜が明けたと思ったらもう寝なくてはいけないなあ、
休ませてもたったらもう起きなくてはいけないなあ」と言って、
楽しみいっぱいの一日でございます。
それは喜びと安らぎとそして感謝に満たされており、又人々の喜びと、
その人々の喜びを頂いてそれを我が喜びとする毎日だからです。
こんなことをしていましたら、私の寿命は限られているのに、
もうあっという間に私のこの世の生命は過ぎるのではないかと
ひやひやしているぐらい、
一日一日が知らない間に過ぎていきますね。
それは常に喜びに満たされていますから、心は天上界です。
私は禅定の時、よく言わせてもらっています。
「身はこの世にあり、心は天上界にあります」と。