経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

累積進歩する技術と不変の心得~「あきらめなければ夢は叶う」&「ウサギとカメ」

2008-03-23 | プロフェッショナル
 この週末は世界フィギュアに釘付けでしたが、いろいろ考えさせられることも多くて、大変興味深い大会でした。
 かつての世界フィギュア銅メダリスト・佐野稔が「我々の頃とは違う競技だ」と言っていたように、4回転、トリプルアクセルなど‘累積進歩’する技術は凄まじいものがあります。一方で、今大会で勝負を決めたのは、その技術以上にいつの時代も不変の‘心得’みたいなものであったところが、とても興味深いです。
 女子では、Qちゃんに代わって「あきらめなければ夢は叶う」を体現した真央ちゃんですが、フリーではパーソナルベストからトリプルアクセルの減点(8.5点)分を引いたのとほぼ同じくらいの点数を出していて、最初の失敗の後は全てのエレメンツをほぼ漏れなくこなしたことがよくわかります。準備の大切さ(∵加点される要素をできるだけ多く準備していたからこそ勝てた)、そして諦めてはいけない、という不変の心得を改めて思い知らされます。
 男子はさらにドラマチックで面白かったですが、最後の場面のジュベールとバトルは、現代版「ウサギとカメ」を見る思いでした。バトルのことなど眼中になく、ミスを連発した強敵3人に4回転1回で勝てると踏んだジュベールは、全力を尽くすことなく策に溺れ、競技中にガッツポーズを出した後には不要なミスまでやってしまった。一方、大技(4回転)のないバトルは、最後まで丁寧に持つ力を振り絞り、手を抜いたジュベールを上回った。技術云々の前に大事な心得を改めて思い知らされます。

 知財の専門家にとっても、制度はどんどん複雑になるし、守備範囲を広げることも求められるし、‘累積進歩’するテクニカルな要素を追いかけていくことは大事な課題です。しかしながら、それに溺れて重要な‘心得’を見失ってしまっては、肝心の本番で力を活かすことができない。やはりトップアスリートの戦いからは、学ぶことが多いです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。