戦後我が国は米国というフィルターを通してしか世界を見なくなってしまい、その結果見失ってしまった歴史や、脈々と続いてきた米国以外の国々との関係があること。その米国フィルターに代わる世界観として、大中華圏、ユニオンジャックの矢、ユダヤなど、世界に張り巡らされた「ネットワーク」という観点から世界を眺めるべきとの提唱。エネルギー革命、グリーン・ニューディールによる分散型ネットワーク社会に向かう世の中。我が国おける政権交代の意味。米中関係の裏返しであるところの日米関係。日本として、アメリカがアジアで孤立しないように配慮しながら、アジアからの信頼を確立していくべきとする「新米入亜」論。そして「友愛」の行方。参院選後までには降板することが濃厚になってきた鳩山総理のブレーンとも言われる寺島氏によって、ひとつの「視点」が示されていて興味深い本だった。