説明すると難しいんですが…車の窓ガラス(開閉可能なもの)が、ドアのサッシとツライチになっている車が何台かあり、現行車種だとレクサスLSあたりが、これに該当します。まあ実際には、完全にツライチではなく数ミリの段差があるんですが、それでも普通のサッシガラスとは違って段差の落差は小さいです。正式名称は存じ上げませんが、これをフラッシュサーフェスウインドウと称し、8~90年代車に限って調べてみたいと思います。

フラッシュサーフェスウインドウ車は、サッシの縦軸(Bピラー部横)にガイドを設け、ウインドウをサッシに内包させてで開閉させるのではなく、このガイドを通じて上下に昇降させています。サッシに内包せずに窓が昇降できるため、サッシとチリをツライチにすることができます。そのため、このガイドにアクセスする丸い部品が、ガラスに付いています。今回掲載する車両は、すべてこの「丸い部品」の付いたフラッシュサーフェスウインドウ車です。なお、現行車種(おもに海外製の高級乗用車)に採用されているフラッシュサーフェスウインドウ車は、機構がこれとは違うようですので、よく分からないものは解説しません(笑)。
日本国内では、いすゞの初代ピアッツァなんかがサッシとガラスがツライチ(に近い)ので、おそらくこれが初採用だと思うのですが、今回は2代目ソアラのフラッシュサーフェスウインドウを起源として紹介します。まだほかにもあるよ!という方は、ご一報ください。なお、構造上ツライチになってしまうハードトップ車やワンボックス車の開閉できないリアウィンドウなどは、そもそも仕組みが違うので、除外します。
参考文献

二玄社刊、自動車アーカイブ誌
■2代目ソアラ

Bピラー横にガイドを設け、フラッシュサーフェスウインドウを国内で初めて実現したのは、2代目ソアラのようです。
■初代セルシオ

初代セルシオは、ソアラと同じ構造でトヨタでは2例目の実装となりました。
■3代目ソアラ

というわけで、3代目ソアラにも継続。
■2代目セルシオ

呆れんばかりのコストダウンが図られた2代目セルシオですが、実はフラッシュサーフェスウインドウだけは継続しています。3代目、4代目(先代LS)は、普通のサッシガラスで萎え。
■2代目ジェミニのクーペ

セダンは普通のサッシガラスですが、クーペはフラッシュサーフェスウインドウです。いすゞなのに、やるじゃん!
■PAネロ

というわけで、ジェミニとキャビンが同じPAネロも、言わずもがな。PAって、なに??
■2代目ピアッツァ

これもジェミニクーペとキャビン前半は同じですので、フラッシュサーフェスウインドウです。
■インフィニティQ45

こちらもセルシオとならび、フラッシュサーフェスウインドウです。ちなみに2代目以降のシーマは、普通のサッシガラスです。
■3代目プレジデント

Q45とキャビンが同じプレジデントも、フラッシュサーフェスウインドウです。
■フェアレディZ(Z32)

Z32は面白いドアをしていて、基本的にはサッシレスなのですが、Bピラー部だけサッシ付で、その部分はきちんとガイドを設けて、サッシにめり込まないようになっています。バブリー。
■4代目プレリュード

意外にも、4代目プレリュードは歴代モデルで唯一のフラッシュサーフェスウインドウです。
■5代目カペラ


全然、旧車趣味の人ですら話題にあげない5代目カペラは、人知れずフラッシュサーフェスウインドウです。なんと、ライトバンまで(笑)。なお、このあとのクロノスは、普通のサッシガラス。クロノスの後のカペラもサッシガラスです。
■ニホンフォード・テルスター

カペラとキャビンが共通のテルスターも、同様です。
おそらく、90年代までの車では、これだけだと思います。21世紀に入ってからも、ホンダのレジェンド(先代)と現行レクサスLSだけだと思いますね。もっと情報をお持ちの方は、コメントください。
俺この窓好きなんだよ、全然意味のないことに一生懸命になってる感じで(笑)。
注意!
画像の無断転載を禁止します。あと、これを元ネタに動画を作ってアップするとか、もっての他です。そんな人いないとは、思いますが。