先日もちょっと書きましたが、以前スズキのガンマ(VJ21A)に乗っており、乗っている間は強力な冷却系統によりオーバーヒートを経験したことは一切ありませんでした。対する今乗ってるTZRでは、夏場に水温の上昇がみられ、冷却系統が弱いのかな?と感じているところですが、実際はどうなんでしょうか。
ちょうど手元にガンマのサービスマニュアルが残ってますので、さっそくラジエタ関連の項目をチェック!
ガンマは湾曲ラジエータ(商品呼称ラジアルフローラジエーター)を採用しており、全面投影面積に対して冷却面積が広いことをアピール。
サーモスタットの全開温度は65℃となっています。
一方、TZRも同じような湾曲ラジエータを採用しております。放熱量は、実に11200kcalと記載されています。
サーモスタットの全開温度は80℃となっており、開閉温度域もガンマよりも高く設定されています。
TZRのラジエータは、マニュアルに寸法や放熱量などが記載されている一方で、ガンマのマニュアルではそれらが省かれていることから、ラジエータ本体の比較は残念ながらできませんでしたが、サーモスタットの開閉温度に差があることは分かりました。ガンマはサーモの開閉が低い温度から早く動くのに対し、TZRはより高温域での開閉となっています。いわゆる、ローテンプサーモである。なるほど、これでは冬場にダンボール貼らないとオーバークールになるわけだ(笑)。
たしかにこれなら、少なくとも夏場の市街地ではガンマのラジエータは余裕がありそうです。TZRは冷却に余裕が無いというより、単にサーモスタットの全開が遅くて市街地走行だとラジエータが追い付かなくなることがある、ということなんでしょうね。もちろん、走行風が当たれば問題ない温度まで下がるので、対策できるとすれば、後付けでファンを付けることでしょうか。そこまでする必要もない気もしますけど。
ところで、ガンマは全回転域でパワーが出ており、とても乗りやすかったです。低回転で乱暴にクラッチつないでも、何の苦もなく加速しますし、パワーバンドに入った時の加速も痛快です。
実際パワーカーブを見てみましても、低回転から満足なトルクが出ているのが分かります。
一方こちらはTZRのパワーカーブ。急にモッコリしているトルク曲線を見れば、どんなエンジンかお分かりいただけるでしょう(笑)。もうすこし、なんとかならなかったのかねと思います。
でも、あの「クゥオォォォォン!」って加速するときのエンジン音聞くと、そんなのどうでもいいやって思わせる魅力のある、不思議なバイクです。ちなみにガンマは「ブェェェェェェ!」って音で、あんまり音は好きじゃなかったです。
いろいろ、ラジエータ一つとってもメーカの開発姿勢が伺え、面白いです。