きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

洞爺湖サミットに期待するもの

2008-06-23 13:19:36 | Weblog
洞爺湖サミットに期待するもの     (008.06.23.)

来月はいよいよ日本で洞爺湖サミットが行われる。最大の問題はなんと言っても世界的な地球温暖化問題である。1997年に京都議定書が作られこれに参画し排出削減の義務を負わされた先進国の割合は30%程度に過ぎず排出大国である、アメリカはこれには消極的な態度を示し、中国やインドの言い分は「先進国は今までに大量汚染をして来た、我々は、国民一人当たりのCO2排出量は、遥かに少ない」と主張している。

当時は大気汚染と言うものに対する取り組みに、重要ではあるが、切実な問題としての認識が低く、むしろ自国の産業発展の足を引っ張るもので、環境対策には、なるべく金を掛けたくない気持が強かったのではと思われる。

特に中国は、環境問題に関する国際的な立場からの「忠告」を、中国産業の国際競争力を弱める内部干渉の如く受け止め、排出ガスの削減には全く意に介さない態度であった。

確かに10年前は、北京の空も汚れてはいなかったし国の政策も産業の発展拡大を目標に進めてきた、その結果驚異的な生産拡大は、世界の目を見張るものがあったが、其れと同時に環境汚染も極端に悪くなり、大気汚染だけではなく、湖水や河川の汚染が急激なスピードで汚染され、もはやあの有名な上海蟹も食する事が出来なくなったのである。

中国政府は、北京五輪を前にして、此の実態に頭を痛め、国を挙げて改善に取り組まなければならない政策に掲げだしたのである。

胡錦濤政権の、日本との「戦略的互恵」政策も環境改善に対する技術的な支援を強く要望しているのである。この傾向は、インドに置いても同様だ。

その他、環境汚染問題が引き起こす、異常気象は、旱魃による食料危機、海水の水位上昇による国土の沈没等々、10年前とは違って、切実な問題として受け止める様になった事は今回の洞爺湖サミットでは、地球規模での対策として、相当内容の濃い意見が戦わされるものと思われる。

福田総理も「セクター別アプローチ」方式を提案し、産業別にエネルギー効率を検証し非効率な国には、積極的に支援する姿勢を示している。

議長国だから、良い格好をし過ぎてもいけないが、程ほどに、国内問題での憂さ晴らしぐらいは、多めに見たいと思います。
(えびなたろう)