「ねじれ国会」は閉幕したが (008.06.22.)
民主党の参議院での問責決議の可決、自民党の衆議院での内閣信任案の可決、衆参の「ねじれ」による空転国会の中で、昨日国会の閉幕を迎えた。
今国会での「ねじれは」、与党側は、一昨年の郵政民営化改革を争点に戦った衆議院選挙で3分の2の勢力を得る大勝を得たことを、国民からの信頼をえている唯一の武器としている。
小泉政権後を継いだ安倍政権もその勢いに乗って華々しく発足したが、「政治と金」に係る政治資金不正追求から端を発し、農林省の緑資源機構の官製談合、それ等に絡む松岡農水相の自殺問題、厚生省の国民年金の無駄使いや流用問題、更に5000万件に及ぶ年金記載ミス問題等々、野党の追及によって、次々に発覚した。
それでも安倍内閣は、院内勢力の力をバックに参議院選を戦ったが、如何せん世情の悪さは今までに無い逆風に転じ大敗北を喫し、過半数を割る結果となったのである。
此れによって、勢力分野が、与党は衆議院、野党は参議院と言う、「ねじれ国会」の始まりとなったのである。
「ねじれ国会」は野党勢力に国政調査権が与えられた事が大きく物を言い、今まで政権与党によって隠され続けて来た、官僚の無作為、無駄使い、利権に絡む贈収賄、官製談合、特殊法人、天下り等々、政治利権に関わる“垢”がすべて国民の前に曝け出されたのである。
野党側は、昨年の参議院の選挙が、直近の民意であるとして、官僚支配の現政権を批判し、改革の実行を迫っているのに対し、与党は、一昨年の衆議院選挙で得た3分の2勢力を固守し、今まで通りの政治をと通そうとして野党からの要求には「財政の裏付けがない」「無責任な提案だ」等々で反発し押し通そうとしてきた。
しかし、国土交通省の暫定税率の問題が次々に暴かれ、強気であった冬柴大臣も終始謝る場面が多くなり、道路に係る族議員の正体が、官僚と癒着している実態が明らかにされるに従い、福田総理も、この様な状況の中では、先の道路特定財源も、一般財源化を表明せざるを得なくなってしまった。また、国家公務員制度改革も、野党の意見を取り入れた改革案で合意を得なくてはならなくなってしまったのである。
福田総理の決断も党内では、族議員の抵抗が強く、総理が決断しても、実行段階で骨抜を狙っている派と、改革を推進する派と二つに分裂しているようだ。
今国会は閉幕したが、次期国会から来年に向けて、このままでは、ますます混迷が予想される。
したがって、何を置いても一刻も早く衆議院の解散総選挙を遣り、改めて、国民の正しい審判の上で国民の支持率の高い内閣を作り、政策論争の出来る与野党関係の中で、国家行政が行なはれる国に成ることを、国民は一番望んでいるのだ。
(えびなたろう)
民主党の参議院での問責決議の可決、自民党の衆議院での内閣信任案の可決、衆参の「ねじれ」による空転国会の中で、昨日国会の閉幕を迎えた。
今国会での「ねじれは」、与党側は、一昨年の郵政民営化改革を争点に戦った衆議院選挙で3分の2の勢力を得る大勝を得たことを、国民からの信頼をえている唯一の武器としている。
小泉政権後を継いだ安倍政権もその勢いに乗って華々しく発足したが、「政治と金」に係る政治資金不正追求から端を発し、農林省の緑資源機構の官製談合、それ等に絡む松岡農水相の自殺問題、厚生省の国民年金の無駄使いや流用問題、更に5000万件に及ぶ年金記載ミス問題等々、野党の追及によって、次々に発覚した。
それでも安倍内閣は、院内勢力の力をバックに参議院選を戦ったが、如何せん世情の悪さは今までに無い逆風に転じ大敗北を喫し、過半数を割る結果となったのである。
此れによって、勢力分野が、与党は衆議院、野党は参議院と言う、「ねじれ国会」の始まりとなったのである。
「ねじれ国会」は野党勢力に国政調査権が与えられた事が大きく物を言い、今まで政権与党によって隠され続けて来た、官僚の無作為、無駄使い、利権に絡む贈収賄、官製談合、特殊法人、天下り等々、政治利権に関わる“垢”がすべて国民の前に曝け出されたのである。
野党側は、昨年の参議院の選挙が、直近の民意であるとして、官僚支配の現政権を批判し、改革の実行を迫っているのに対し、与党は、一昨年の衆議院選挙で得た3分の2勢力を固守し、今まで通りの政治をと通そうとして野党からの要求には「財政の裏付けがない」「無責任な提案だ」等々で反発し押し通そうとしてきた。
しかし、国土交通省の暫定税率の問題が次々に暴かれ、強気であった冬柴大臣も終始謝る場面が多くなり、道路に係る族議員の正体が、官僚と癒着している実態が明らかにされるに従い、福田総理も、この様な状況の中では、先の道路特定財源も、一般財源化を表明せざるを得なくなってしまった。また、国家公務員制度改革も、野党の意見を取り入れた改革案で合意を得なくてはならなくなってしまったのである。
福田総理の決断も党内では、族議員の抵抗が強く、総理が決断しても、実行段階で骨抜を狙っている派と、改革を推進する派と二つに分裂しているようだ。
今国会は閉幕したが、次期国会から来年に向けて、このままでは、ますます混迷が予想される。
したがって、何を置いても一刻も早く衆議院の解散総選挙を遣り、改めて、国民の正しい審判の上で国民の支持率の高い内閣を作り、政策論争の出来る与野党関係の中で、国家行政が行なはれる国に成ることを、国民は一番望んでいるのだ。
(えびなたろう)