きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

船場吉兆の廃業は当然 

2008-06-02 12:44:11 | Weblog
船場吉兆の廃業は当然      (008.06.02.)

昨年の10月に賞味期限の改ざん等の不正表示で、事の発端が生じたが、その当時の幹部は、改ざんは、パート従業員の独断で、勝手に遣ったものだと説明していた。

また、その後も「地鶏こがねみそ漬け」「地鶏すき焼き」商品についても地鶏ではないことが発覚し、この問題についても納入業者が間違えて納入したと説明し、「納入業者に信頼を裏切られた」とまで証言している。

私は、この当時から、会社の幹部の対応が、老舗と言われる船場吉兆の対応とは思えないものを感じた。
老舗と言うのは、創業者の客に対する、「もてなしの心」とも言える哲学が継承されていなくてはならないのである、不正表示の失態は、譬えそれが従業員の失態であっても会社幹部の当然責任であるにも拘らず、パートの従業員や、出入りの業者に擦り付けるような発言には船場吉兆はこの際、廃業しか考えられないと思っていた。

しかし、その後2ヶ月間の休業の後、大阪地裁の民事再生法の適用によって今年1月に再開する事が認められ、創業者湯木貞一氏の三女の湯木佐知子社長(前社長夫人)により心機一転して再開したのである。

しかし経営の実態は心機一転しておらず、創業一家の経営は、創業者の哲学の継承ではなく「船場吉兆」と言う名前と暖簾のうえに胡坐をかき、体質をかえることが出来なかったのである、佐知子社長も社内では、絶対的な権力の保持者で、記者会見の時も、息子の答弁に横から囁いていた事は、テレビでも放映され、「囁き女将」と言われていた事がすべてを物語っている。

結局、再開してからも、客の食べ残した「鮎の塩焼き」や、「天ぷら」などを別の客に使い回していた事が発覚し、遂にその後の客からも見放され、廃業宣言に立ち至ったのである。

「吉兆」グループと言う名前では東京・大阪・京都・神戸にも資本関係の無い別会社として、存在しているが今回廃業した、船場吉兆は先代からの精神を受け継いだのではなく、暖簾と名声のうえに胡坐をかいた独善的な態度が、本来なら支えるべき周りの人からも「自業自得や!」とまで言われる所以である。

せめて、廃業に当って、今までの従業員への対応は感謝を込めた人間的な、あと処理を行なう事で、創業者湯木貞一氏の名前を汚さない事を望みたいと思う。
(えびなたろう)