きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

道路建設中毒症の日本

2008-02-03 09:43:35 | Weblog
道路建設中毒症の日本      (008.02.03.)

東大の学者の研究で日本の交通輸送の問題を、「交通・輸送・環境の行政テーマとして総合的に考えるべきで、「道路行政」という道路だけを取り上げた考え方は間違っている」と言う提言をされている。

先生は、関東運輸局の依頼で、東京湾の有効利用の研究をされ、東京湾アクアラインの出来る以前、木更津と川崎間をフェリーで結び道路の渋滞を解消しようという提案をされていた。

答えは、車を80台積めるフェリーを10~15隻建造すれば日量7000台の車を片道約1時間たらずで運べると言うものだ。
1隻20億円ぐらいだから船舶には、200~300億円、その他も含め600億円ぐらいで賄えると言う提案である。

しかし現実は、総工費1兆4400億円をかけて50年計画の償還(まず不可能)なアクアラインの案が十分な比較検討もされずに決められたのである。

その他、第二国道軸の調査研究も近畿地方全般の輸送問題のなかで、高速フェリーを活用した総合的な提案であったが、結局は道路建設に置き換えられて、結果は瀬戸内海に3本もの橋が建設されてしまっている。
これ等の建設費用は膨大で、期限内償還も出来ない無駄使の象徴的工事である。

確かに、日本の行政は、道路建設中毒に罹っている。何処かで道路建設を遣っていないと活きて行けない中毒に罹っているのだ。

だから、交通輸送と言う総合的な見地から論理的な政策が提案されても麻薬中毒症状は道路族の強行な主張に押し流され、必要性とか有効性とかを無視し、カンフル剤としての道路建設が必要になっているのである、これは地方自治体も含めて。

道路特定財源の暫定税率問題は、この麻薬中毒状態から抜け出す為にも苦しいかもしれないが抜け出す努力が必要だと思う。10年も延長なんて全く考えられない愚策である。

先生の提言にも「このまま続ければ“時代の流れに目をつぶり、道路を作り続けて衰退していったバカな国”として歴史にのこることだろう」と言われている。
中毒症状を治すためには、体質を変える必要があるから、多少の痛みを覚悟する努力が必要だ。

治すための目標を掲げ、そのために数年かかるのであれば数年の延長ぐらいは考えても良いが、10年延長と言う提案は全く体質の改善を考えていない無策の延長提案である。

兎も角、特定財源という特別な財源を残し内容は、職員の住宅建設や、地下中駐車場、不明朗な補助金、更にレクレーション費用等々に使っている現状に目をつぶり、野党の提言に耳を覆い、党内では、選挙の公認と言う強権を使って党員の口を封じる遣り方には、国民は決して今の与党を信頼していません、何時までこのまま続けるのでしょうか。

福田総理にその辺のビジョンが全く示されないのが問題だ。
                              (えびなたろう)