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つれづれの記

日々の生活での印象

「おみ漬け」の季節

2012年12月12日 12時48分12秒 | 日記

2012年12月12日(水) 「おみ漬け」の季節 

 

  今年も、おみ漬け の季節である。

  山形には、冬期間の大切な漬けものとして、本格的に漬ける、「青菜漬け」(芥子菜漬けとも)があるが、それとは別に、同じ青菜で、浅漬けの様にして、簡便に頂くのが「おみ漬け」である。こちらも、郷土山形の、旬の漬けもので、かなり前から、我が家で続けている、自家製の季節のご馳走である。

 

 当ブログでも、一昨年

      山形の味覚―おみ漬け (2010/12/6)

 として載せている。

 

 今回は、作業工程を、やや詳しく記録してみた。

 

 毎年、晩秋になると、おみ漬けの最も重要な材料である、「青菜」(せいさい)(正しくは、山形青菜)を山形の某スーパーに頼んで取り寄せている。

 届いた青菜は、一日程天日に干して、やや、しんなりさせる。この青菜を、包丁で細かく刻むのには根気が要るが、これはワイフKの役割で、当方は、包丁研ぎ師の役である。 おみ漬け の語源は、揉み漬け からきている、とも言われるように、刻んだ青菜を、よく、塩揉みすると、辛味が増す。 それに重しをして、24時間もすると水が上がって来る。

 

   

             天日に干す                             刻んだ青菜を塩揉み         

  次に、しっかり水気を取って、それと、刻んだ干し大根や、ニンジンや、紫蘇の実等を、砂糖、みりん、酒、醤油等を適量入れて味付けしながら、交互に層状に重ねて行く。

     

              干し大根                       刻んだ干し大根とニンジンと紫蘇の実

 

   

           交互に層状に重ねる

 

 他に、昆布や柿の皮等を入れてもいいのだが、旨味は出るが、持ちも短くなるので、我が家では使っていない。

 最後に、重しを載せ、数日、日の当たらないルーフバルコニーの寒所に置くと、出来上がりである。 

           

                      自家製おみ漬け が完成!

 

 例年、おみ漬けが出来上がると、周囲の友人、知人等に、お裾分けする。我田引水だが、結構、心待ちにされているようである! 

 このおみ漬け、香りと辛味が命で、おいしく食べられるのは、精々、1か月程度だろうか。 でも、出来たばかりのものを、すぐに冷凍にすれば、半年以上過ぎて解凍しても、香り等の風味はかなり落ちるが、結構、食べられるのは有り難い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本人確認と運転免許証  2

2012年12月10日 11時59分00秒 | 日記

2012年12月10日(月) 本人確認と運転免許証 2

 

 前回の

     本人確認と運転免許証 1 (2012/12/5) 

では、免許証の偽造の可能性について触れたところだが、本稿では、免許証の真贋の判定について触れることとする。 

 

◎いずれにしても、最後には、真贋の判定で、偽造を見破る必要がある。

・言うまでも無く、免許証による、誰にでも出来る本人確認は、提示者と券面の顔写真との照合という目視判断だろう。

 非IC/IC免許証とも、正規の物は言うまでも無いが、偽造免許証でも、提示者と顔写真が、違っているとは考えられず、当然、一致していると思われる。 印刷等の見た目も、正規のものと同じように良いだろうから、顔写真と共に券面にある文字情報も、正しいものと判断され、目視だけで偽造を見破るのは、かなり難しいだろう。

 

・非IC/IC免許証での次の手段は、免許証単体だけでスタンドアローンで行う、装置や機械システムを使った、真贋の判定だ。

ネットに出ている、ある製品は、たった2秒で、偽造か否かが判別できる、との謳い文句だ。(免許証を2秒で鑑別 運転免許証識別装置 EXC-2500ZR

 この装置は、偽札等の判定のアルゴリズムを応用しているとある。 光学的に、印刷媒体や印刷された文字情報等を精査し、目視では分り難い、本物と偽造品との、微妙な違いを、見分けるのだろうか。

免許証を本人確認に使用している、公共機関・金融機関の窓口や、企業等に設置されるようだ。

 このような装置を使うと、免許証の券面にある個人情報の入力が容易に出来るので、これらの窓口では、本人確認を兼ねて、窓口利用者の情報集積を行い、データベースを構築するのが重要な狙いで、ついでに、怪しい免許証をチェックする、という場合が多いと思われる。

  

◎免許証の、最後に残されたチェック手段は、全国的にネット化されている、免許証登録管理システム(仮称)のデータベースDBとの照合である。各警察の端末から、券面にある免許証番号や、その他の情報を入力して、DBとの照合が行われる。

非IC/IC免許証とも共通だが、実在の免許証で、部分的に文字の改竄がある場合は、偽造が判明する。

又、免許証の本来の所有者から、その免許証の紛失届や盗難届が出ている場合は、偽造がばれてしまう。

 一方、新規に偽造した場合は、実在しない、架空名義の免許証なので、たちどころに偽造が判明するのは勿論である。

 

 IC免許証の場合は、以下の様に、DBによる、更なるチェックが出来よう。

警察にある端末を使えば、システムに登録されているその免許証番号に対応した、2つの暗証番号(PIN番号)から、チップ内情報を読み出して、券面と一致しているか否かが照合出来る。

即ち、PIN番号が判らない状況で、実在の免許証から偽造された時は、券面に印刷された文字情報や画像情報と、チップ内から読みだしたそれらの情報と対比すれば、不一致が起り、顔写真を入れ替えた事なども判る。

 最悪、PIN番号が判るなどして、チップ内情報を読み出して券面を作り、内容を変えて記録して偽造された時は、両者は一致するので、これだけでは、偽造は判らない。

 

 でも、このような場合についても、以下の様な、有力な手段がある事が分かった。即ち、NTTデータでは、クラウドコンピューティング形式での、IC免許証による本人確認サービスを提供しているようだ。金融機関の窓口等で、IC免許証を端末にセットし、暗証番号を入力してもらい記録情報を読み出し保存する。

 この際、偽造・改造などで、記録情報を変更した履歴があると、交付時に作成して保存しているデータと、現在作成して得られる同様のデータとを対比すれば、不一致となり、偽造が判明するという。(IC運転免許証を活用した本人確認サービス「BizPICO™」提供開始 | NTTデータ

 免許の提示者が、正規の場合でも、暗証番号を忘れたり、判らなくなっている場合は多いので、その時は、警察のセンターに、電話等で問い合わせて、調べてもらう手はある。

又、所持者本人が、偽造と分かっていれば、暗証番号は忘れた、などど言って、逃げるだろうが、いずれ、ばれてしまう。

 

 このように、免許証の真贋の判定では、DBでの照合が、極めて有効なのは言うまでも無い。

警察が、この免許証の登録管理システムのDBを、警察の業務用だけではなく、照会用として、公的機関や金融機関の窓口などに開放すれば、窓口等でも、DBとの照合は可能となる。

 しかし、公的機関や金融機関等に限定的して開放するにしても、安全性、セキュリティ上等で、新たな問題も生起すると思われ、実際は開放するのは、極めて困難と思われる。

でも、これらの窓口で、疑わしい免許証が出てきた時は、連携プレーで速やかに、電話等で警察に照会し、DBに照合して真贋を判定して貰うのは、大した手間ではないだろう。

 

 

◎ここで、電子署名(デジタル署名)について触れたい。交付元情報は、運転免許証を権威づける、最も重要なもので、IC免許証では、チップ内に、交付元である、○○公安委員会の電子署名があるという。

 日本では、伝統的に、印鑑と、その印影が重視されるが、欧米では、本人の署名(筆跡)が一般的だ。昔の殿様は、本人である証拠として、以下の様な、花押を使ったようだ。

  伊達政宗の花押 

 今流には、通信を介したネット上で、本人であることを証明する方法として、電子署名の仕組みがある、と言えよう。

 

 身近に経験した電子署名としては、ネットを使った所得税確定申告用の、e-Taxがあり、ここ、2年、御世話になっている。

住んでいる区役所で作って貰った、自分の住民基本台帳カードに、電子証明書を発行して貰う。 それを使って、作成した所得税申告書に電子署名を付し、自宅からネット経由で、所轄の税務署に提出するものだ。

 申告書データは、公開鍵暗号方式により、暗号化して送られ、相手側で復号化される。この場合、難しく言えば、電子証明書を発行した区役所が、税務署に対して、本人であることを保障する「認証局」になっている、というようだ。

 

 改めて考えると、運転免許証は、券面に在る、以下の3情報それぞれが正しく、しかも、3情報が同じ人間に属している、という事を保証している、公的な証明書と言えよう。 

      1 個人情報(氏名 生年月日 住所 本籍)

      2 顔写真(実物の顔と一致)

      3 運転免許内容(種別 期限) 

このような免許証が、正規のものであることを保証しているのは、券面にある、○○公安委員会と印影である。でもこれは、単なる印刷のため、この時代、余り、権威は無い。

 でも、IC免許証の場合は、更に、チップ内に記録されていると言われる、○○公安委員会の電子署名が、免許証が正規なものであることを、最後に証明していると言うことだろう。

 一方、3の運転免許内容とは関係なしに、1と2の、それぞれの正規性と、両者の同一性が、公的機関によって、証明・保証されているので、運転免許証が、本人確認用として利用されている訳だ。

 

◎では、IC運転免許証での電子署名の仕組みは、どうなっているのだろうか。 偽造防止のため、IC免許証では、RSA公開鍵暗号方式が使われているとある。

 前記の、e―Taxの場合は、ネットを使った公開鍵暗号方式の、典型的なモデルなので、電子署名や情報送受信時の暗号化や復号化は、比較的判りやすいのだが、免許証の場合は、ネットを使っていない仕組みなので、かなり、理解しにくく、判りやすい解説が見付からなかった。

 でも、自分なりに、ネットを仮想して、以下の様に考えてみた。 

      免許証交付時(送信側のイメージ) :記録情報を暗号化して、ICチップに書き込む

      免許証検証時(受信側のイメージ) :記録された暗号情報を復号化して、記録情報を取り出す

  先の、NTTデータの製品の説明にあるように、交付時に正規のデータ(交付元の○○公安委員会の電子署名を、秘密鍵で生成したハッシュ値など)をIC内に記録しておき、交付後にチップ内の情報の改竄があれば、検証時に同様にして得られるデータ(現在得られるハッシュ値)との不一致が起こり、真贋が判別できるようだ。このようなチェックは、警察の端末からも、当然、可能であろう。 

 情報の送受で、現実の伝送路上での改変の有無(完全性)を検知するのが、ハッシュ値の機能と言われていることから、IC免許証の場合は、上記のような仮想モデルになっていて、ハッシュ値の不一致で改竄が検出できる、と言う事になるようだ。

 

 ICカード運転免許証の仕様は、手に入る公開情報だけでは、良くは分からないのだが、記録されている交付元に関する情報(電子署名など)が、偽造を見破る、重要な決め手となるように思っていたのだが、やはりその通りだったか、という思いである。

IC免許証単体で、上記のようなチェックもできるというのは、券面の情報とチップ内読出し情報とを対比する検証と共に、IC化の大きな効果と言えるだろう。 

 いずれにしても、IC免許証に関しては、これからも、攻める側と守る側の、いたちごっこが続くだろうが、これ以上は、その筋の専門家にお任せすることとしよう。

 

 

◎本ブログでは、本籍の移転から始まって、運転免許証に進み、電子署名まで話が進んだが、このあたりで、脇道の散歩は、終わりとしたい。 

こちらも、偽造防止のためにIC化されている、新本籍の都道府県名が記載されたパスポートを、近い将来に取得するのが楽しみである。

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本人確認と運転免許証 1

2012年12月05日 18時44分16秒 | 日記

2012年12月5日(水) 本人確認と運転免許証 1

 

 これまで、戸籍について、以下の様に触れて来たが、

     戸籍の話 その1 (2012/9/27)

     戸籍の話 その2 (2012/9/29)

     戸籍の話 その3 (2012/11/22)

     戸籍の話 その4 (2012/11/30)

 

これらは、今般、本籍を、出生地から現住所へ移すまでの、準備作業、転籍届、運転免許証の記載事項の変更、などの経過について、体験的に述べたものである。

 今回は、前回触れなかった、本人確認資料としての運転免許証の役割と、それから来る偽造問題等に付いて、改めて取り上げることとしたい。

 

◎運転免許証は、文字通り、車を運転するための、顔写真入りの許可証である。免許証が無いのに運転することは、無免許運転という重大な違反となる。

通常の運転でも、一斉取り締まりなどでの検問や、スピード違反や事故の場合は、真っ先に、免許証の提示が求められる。

 

  一方、公的機関や金融機関の窓口等で、本人確認が必要となる場面は多いが、この時に、1点だけで必要十分な資料になるのは、一般人の場合は、

     ・運転免許証         (自治体公安委員会)

     ・パスポート         (外務省)

     ・住基カード(顔写真入り)  (自治体)

があり、取得者数が圧倒的に多く、広く活用されているのは、言うまでも無く、運転免許証である。健康保険証等の場合は、併せて、他の資料・情報の提示も求められる。    

 

 自分の場合は、顔写真入りの、住民基本台帳カードを作って貰っており、免許証でなくこれを、常時携行して、本人確認用の身分証明書としても活用している。

これと、運転免許証とを比較した場合、免許証の取得には、住民票が基本になっているのだから、

     “免許証よりも、自治体自体が発行する住基カードの方が、権威がある”

などと、やや、自慢気に、提示する事としている。

 

 交通機関の乗車カードは、それ自身が金券でもあるので、カードの偽造防止は、極めて重要で、磁気カードから、PASMO、SuicaなどのICカードに変えるのには大きな意味がある。

  愛用のPASMOカード

 

 一方、前稿でも触れたように、H19年以降地域毎に、免許証のIC化が進められており、現在所持しているのもIC免許証だが、この免許証のIC化の主目的も、偽造の防止と言われ、このため、大変なコストと時間を掛けている訳だ。

 

 以下に、免許証の偽造とその防止法に付いて、素人ながら、いささか考察してみたい。

 

 

◎そもそも、免許証が偽造される動機としては、先ず、本来の運転のため、と言うことが考えられる。

即ち、免許を取得するには、大変な金と時間を要することから、免許が無い人が、手っ取り早い方法として、偽造を承知で、免許証を欲しがることが、考えられる。

偽造免許証でレンタカーを借りて運転するといった、悪質なケースもあるようで、この場合は、架空名義でも、実在の所有者名義でも、いずれの場合とも、第3者が被害を被ることとなる。

 

  免許が無い人が、自分で、他人の免許証を盗み、写真を入れ替えたり、記載事項を改竄するなどして、偽造することも考えられるが、これには、かなりの技が必要だろう。

 一方、組織的に、盗むなどの色んな方法で、免許証記載情報を手に入れ、それを元に、偽造免許証を作り、それを売る裏ビジネスが考えられ、そこから買う、という人がいるかも知れない。

 

 最近は、偽造免許証は、上記の様な、車を運転するため、といった分りやすいものではなく、この所、大きな社会問題になっている、振り込め詐欺などが関係しているケースも多いようだ。

即ち、運転免許証が、本人確認資料として広く利用されていることを悪用し、上述の裏ビジネスなどから手に入れた偽造免許証を使って、身元が分らなくし、他人になり済ますなど偽装して、携帯電話の契約や、銀行口座の開設などを行い、道具立てを整備する、といったことが多発しているようだ。詐欺の実行時に、うっかりすると、実在の本人の知らない所で、自分名義の携帯電話や、銀行口座が、使われているかも知れないのだ! 

 又、消費者金融から借り出す時の、本人確認用に偽造免許証が使われることがある、という恐ろしい話もあるようだ。

 

 偽造免許証が、車の運転に使われるのも、大きな問題だが、これが、本人確認資料として悪用される、上記のような事態も、徹底的に防がなければならないのは、言う迄も無い。

 

 

◎ここで、免許証での、印刷・記録情報について、これまでの各種免許証について示すと、以下の様になろう。

 

               本人情報                             免許情報   交付元情報

                顔写真    氏名等   住所   本籍  

  非IC 紙カード   写真貼付     券面    券面   券面  券面        券面  

      プラカード  写真刷り込み  券面    券面   券面  券面        券面

  IC   ICカード    写真刷り込み  券面    券面   ―   券面        券面 

                  IC内     IC内     ―      IC内  IC内         IC内

 

これらの各種情報を、如何に本物に似せるか、本物らしく見せるかが、偽造のポイントとなる訳だが、偽造のやり方としては、素人的には、大きく、以下の、2つの方向

  ・正規に実在するものを部分改造する(他人になり済ます)

  ・新規に偽造する(実在するよう見せかける)

が考えられる。

 非IC免許証、IC免許証に分けて、これらについて考察してみたい。

 

◎以前の非IC免許証は、プリントした顔写真を貼り付けて居たので、実在の免許証の写真を、貼り替えて、なり済ますことは、比較的容易だった、と思われる。

  この、顔写真を貼り替える偽造を無くすために、かなり以前から、警察署で写真を撮り、それを券面に刷り込むようになってきている。 

 でも、これで大丈夫と思いきや、実在の免許証の券面を、精巧なコピー機(スキャナ)で画像情報として取り込み、文字情報はそのまま使い(或いは、再入力して)、別人である要求者の顔写真を入れ替えて、本物に近い材質の媒体に刷り込むなどすれば、実在の免許証に見せかけて偽造することは、今や、そんなに難しくはないだろう。

 

 更に、非IC免許証を、新規に偽造するのはどうだろうか。

実在/架空の人物を決め、券面の文字情報を、合理性のある範囲内で設定し、必要とする顔写真を入れて、まことしやかな、架空の免許証を偽造することは、現在の印刷技術等から見て、そう難しくはないだろう。

 このようにして偽造された非IC免許証の、真贋の判別については、別稿で述べる。

 

 ここで余談だが、コピーによる偽造を防ぐために、精巧なカラーコピー機では、紙幣については、例えば、Ⅰ万円札をコピーすると、機械が偽造の危険を予知して、複写されたものは、紙幣の券面が黒くなるようだ。事務機器の展示場で、見せて貰った事がある。

コピー機能の付いた、自宅のプリンタではどうかな、と、試しに、Ⅰ万円札を複写したら、普通のカラーコピーが出て来た。勿論、偽札として使えるレベルには、程遠いものだがーー。

 又、今回、本籍の移動に絡んで、戸籍謄本や住民票を取得したが、記録用にと、これらをカラーコピーすると、「複製」の文字が、数か所入るようになっていて、本物ではなく、複写されたものだ、と言うのが分るようになっている。でも、元の原紙は、透かして見ても、複の字も何も、分らないのだがーー。

 

 これも余談だが、偽造の問題は、パスポートでも同様のようだ。かなり以前の事だが、職場の上司が、韓国出張中、パーティの席上でパスポートを盗まれ、帰国するのが、1週間も延びた事件があった。盗まれたパスポートは、当時は、いい値で売買されたようで、写真を貼り代えるなど偽造して使われたようだ。

このように、パスポートに関しても、当初は写真の貼付だったが、免許証と同様、ある時期から写真の刷り込みに変わり、一昨年で期限が切れた、自分の旅券もこれである。

そして、偽造防止の強化のため、日本でも、この2007年から、ICパスポートが導入されているようだ。

 

 

◎偽造防止の本命として、免許証のIC化が進められているのだが、果たして、これで、偽造は無くなるのだろうか。

IC免許証の最大の特徴は、ICチップが付いていることで、券面の情報が、ICチップにも記録されている事である。

 IC免許証 (写真の左側にICチップ)

券面の印刷情報の他に、ICチップ内に記録されている情報があるので、それと、券面情報とが合致しているか否かも、重要なチェックになる。

 

 既存のIC免許証をもとに偽造するため、券面に印刷する顔写真/文字情報を、ICチップ内にある情報と一致させて、なり済ますには、チップ内の顔写真の画像情報を書き替える必要があり、このためには、2種の暗証(PIN番号)が必要なことから、それが分らない限り、かなり困難で、ほぼ、不可能ではないか。

 ICチップ内に情報を記録するのに、RAS暗号を用いた電子署名が行われているという。 これを解くのに2種の暗証が必要と言う事だ。暗号は、読み出せるだけで、書き込むには、他の操作も必要なのかは良く分かっていない。

従って、実在のIC免許証の券面にある印刷された、文字情報等から、免許証を偽造しても、券面にある情報と、チップ内の情報とを対比すれば、不一致(顔写真、本籍など)となる。

 

 でも、ネットの某サイトには、PIN番号無しで、IC免許証の内容を読み出すという、怪しげなフリーソフトも出ていたのは驚きで、これの他にも、色々の情報もあり、その筋の世界では、“こんなの簡単!”なのかも知れないがーーー。

仮に、読み出し、書き込みが出来れば、券面とチップ内の情報とが、一致してしまう事態となる。

 

 次の手は、IC免許証を新規に偽造することだ。実在しない架空の人物等をでっち上げ、合理性のある様に、文字情報を設定し、新たな画像情報と共に、チップ内にも記録させ、印刷媒体の種類や、印刷の精度等に注意して印刷すれば、最近の印刷技術では、免許証が出来て仕舞うのではないか。こうすれば、情報の不一致は起こらない。

 

 でも、情報の不一致は起こらなくても、ICチップへの情報の記録方式、電子署名のやり方、交付元情報の形式等が、正規にはどうなっているのか良くは分からないが、果たして、偽造で、これらも、正規のものに出来るのだろうか。

 最近改版された、IC免許証の論理仕様や作成装置の仕様が、ネット上に公開されている。(「運転免許証作成システム」の検索結果 - Yahoo!検索) ここにある情報だけで、免許証の偽造が、「正規に」出来るとは思えないものの、全国の各警察署で、免許証を発行しているので、このような公開も必要なのかも知れないが、自分には、少なからぬ驚きである。

 

 いずれにしても、IC免許証の偽造は、そう簡単ではない、とは言えそうだ。

 少々、こんがらがって来た所で、本稿は終わりとし、次稿で、最後の砦として、免許証の真贋の判別について触れることとしたい。

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