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つれづれの記

日々の生活での印象

辛味とカレーの魅力  その1a

2012年01月18日 17時54分32秒 | 日記

2012年1月18日(水) 辛味とカレーの魅力 その1a 

 

 

○日本料理では、古来、五味五色五法と言われ、味覚と色合いと調理法の、基準となっているようだ。

   五味:甘 酸 辛 苦 鹹   (甘い 酸っぱい 辛い 苦い 塩辛い)

   五色:白 黄 赤 青 黒   (青は緑を含む  黒は濃紫を含む) 

   五法:生 煮る 焼く 揚げる 蒸す

 

生理学的定義では、狭義の味覚とは、口腔内の、舌などの味覚受容体細胞にとって、適刺激である、

苦味、酸味、甘味、塩味、旨味

の5種(五基本味)とされている。

上記の、基本味には含まれない

辛味

は、舌・口腔内だけでなく、全身的に分布する、カプサイシン受容体で感じる、痛覚!として、区別されているようだ。(ネットの、Wikipedia情報による)

 

当ブログでも、味覚について、これまで、以下のように、機会ある毎に取り上げて来た。

タケノコの、えぐ味 等については、

        旬の香りと味 タケノコ (2010/4/27)

アケビの苦味については、

        アケビの苦味      (2010/10/4)

又、辛味については、

        ハバネロかな?     (2011/10/3) 

と、キムチの関連で

辛味のこと       (2011/11/17)  

で触れている。

 今回は、辛味の概略と、その中のカレーの魅力について、述べて見たい。

 

○味覚の中の、酸味、甘味については、調理や食事時等で、

酸味:穀物酢 バルサミコ酢 レモンの酸味

甘味:白砂糖 三温糖 黒糖

等、いくらかのバリエーションはあるが、大きく区別して扱われることは、余り無い。 

又、苦味は、特定の人には珍味となっても、一般には、不快な味という印象が強い。

更に、塩味は、しょっぱさの程度を表す、塩加減は極めて重要なものだが、しょっぱさの種類といった嗜好は、殆ど区別されていないようだ。

一方、旨味については、調味料としての だし(昆布 シイタケ カツオ)もあるが、肉、 魚などの旨味など、料理そのものでもあるので、ここでは、これ以上、触れないこととしたい。

 

○これに比して、辛味の多様さは素晴らしく、食文化を豊かにするポイントの一つであろうか。わが国では、伝統的な辛味に加えて、世界各地の辛味を、居ながらにして味わうことができ、いずれも捨て難く、それぞれに特徴のある料理が楽しめるのは、嬉しい限りである。

 

辛味には、素材に近い形で身近にあるものも多く、主なものに以下の様なものがある。

 

素材名     調味料例         使われる料理例

  唐辛子     七味  一味       きんぴらごぼう うどん

  山椒      粉山椒          うなぎ 

  生姜      根生姜 紅生姜      カツオたたき 牛丼 寿司のガリ

  わさび     生わさび 練りわさび   寿司 刺身 ざるそば

  芥子      練り芥子         おでん 心太(ところてん) 

 

  胡椒      粉胡椒 塩胡椒 柚子胡椒 ラーメン 料理全般

  洋芥子     練り洋芥子        ホットドッグ

 

 うなぎ に山椒、カツオのたたき に生姜醤油、ざるそば にわさび、おでん に芥子、

など、他の辛味の取り合わせはあり得ない、というような、固定観念に近いものがある。

 うなぎ に七味、カツオのたたき にわさび醤油、ざるそば に芥子、おでん におろし生姜、等はどんな感じになるのだろうか。機会を作って、試してみたいものだ。

これらは、先人達の長年の経験から導き出された、ベストな組み合わせが伝えられている、と言えよう。

 

また、各種素材が複合した辛味としても、以下の様なものが楽しめる。

    複合調味料例       料理例

          カレー粉・カレールウ   カレーライス カレースープ

          タバスコ         スパゲッティ

          辛油(ラー油)      餃子

          豆板醤          エビチリ

この中で、今回は、カレー粉とその料理について取り上げてみたい。

 

 

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原発事故の検証

2012年01月14日 23時25分31秒 | 日記

2012年1月14日(土) 原発事故の検証

 

 

事故原発に関する、中長期のロードマップについては、先日の記事

事故原発との長―い闘い  (2012/1/6)

で触れたが、今回は、その時に積み残していた、事故原因関連について、触れることとしたい。

 

昨年12月18日にTV放映された、NHKスペシャル

  シリーズ原発危機 「メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が」

は、衝撃的であった。

詳細な取材と聞き取り調査を元に、全電源喪失から、水素爆発が起こるまでの過程を丹念に再現している。メルトダウンについては、事故当時は、はっきりとは、報道されていなかった状況だが、意図的に隠したのではなく、当事者には、的確な状況把握が出来なかった、と思われる。その後は、メルトダウンや、メルトスルーはほぼ間違いなく起こっていると言われてきたことだが、番組では、このことを、コンピュタシュミレーションにより明らかにしている。

 

自分にとって、今回、新たに知った情報は、 非常用復水器(IC isoration condensor イソコン)の存在である。以前から、何やら設備があることは知っていたが、その機能については分っていなかった。

この装置は、全ての電源が停まったときに活躍する装置で、電気エネルギーが無い時に、熱エネルギーの交換だけで動作して、原子炉の冷却を行うものの様だ。

復水器に蓄えられた冷たい水で、原子炉の温水が冷やされ、それが熱交換で循環するという。この装置に蓄えられる水の容量はどの位なのだろうか、又、そんなに長い時間は持たないと思われるが、稼働出来る時間はどの位なのだろうか。

この装置、全電源断になると、原子炉と繋がっている部分のバルブが自動的に閉まる様に出来ているようだ。従って、その閉まったバルブを、手動で開けてやると、後は、自動的に循環して冷却ができると言う。

ICは、古い1号機にしか付いていない、という情報もあるが、他の原子炉では、この機能はどうなっているのだろうか。

 

事故現場では、当初は、この装置の事が良く分からず、後手に回ったようだ。全電源断の非常時に、バルブが自動的に閉まることが、よく理解されておらず、バルブは開いていると思われ、ICは、稼働していないのに、動いていると誤認していたようだ。

途中で、閉まっているのではと思い、開けに行ったが、放射線量が高く、近付けなかったとも言う。

又、長時間復水器を動作させると水が無くなって空炊き状態になり、タンクが爆発するのではと、動作を止めてしまった、ともいう。結局、最後の手段である非常用復水器は、機能することは無かった様だ。

最も残念なのは、日頃の訓練で、復水器を作動させ、バルブを操作した事が無かったということだ。 非常時という最悪の事態でしか使わず、しかも訓練で操作した事も無い装置は、まともに動かせる訳が無い。

番組では、アメリカの現場では、訓練で、イソコンのバルブを操作している風景が写されていたのだがーー。

日本では、そのような事態は起こる筈が無い、という、いつもの前提だったのだろうか。

 

もう一点は、原子炉の水位計のことである。

原子炉内部の状況を把握するには、各種計測機器に頼るしかないわけだが、暗闇の中で、原子炉内の冷却水の水位や温度をじっと監視したようだ。

炉内の実際の水位と、表示される水位とが異なっていたようだ。それも、炉内の水位が下がって、燃料棒が露出して危険な状態になるほど、計器の表示では、水位が上がって、安全な方になった、ということのようだ。

どうしてこのようなことになるのか、水位計の動作原理はどうなっているのか、などの、詳細は不明だ。現場の作業員たちが、表示が、実態と異なって、おかしくなっていることに気付いたのは、大分時間が経過してからのようだ。

 

制御室内は、停電で真っ暗で、計器類は正常に動作しているかは怪しく、表示は良く見えず、マニュアルの所在も分らなかったことなども、混乱を、より大きくしたようだ。

このような混乱した状況の中で、的確な措置ができず、次々と、水素爆発が起こってしまい、大量の放射性物質が、周囲に放出されたのである。

仮に、現場の関係者が、非常時に稼働する復水器等の操作に予め習熟していて、水位計の表示のことも頭に入っていたとしたら、メルトダウン・メルトスルーや水素爆発を、どの位遅らせられたのだろうか、あるいは防げたのだろうか。この辺については明確な報道はなかった。

 

一方、事故原因の調査・分析を進めるために設置された、事故調査・検証委員会(畑村委員会)の中間報告が、昨年暮れの、12/26に公表された。概要、本文編、資料編を含めて、700ページを超える膨大な分量の報告書である。

この中でも、上述の、イソコン、水位計のことも触れられているが、これらについて、さらに詳細な状況を、報告書を見て明らかにすることは、やめにしたい。

上述のように、仮に、イソコンや水位計について、作業員が十分に習熟していたとしたら、水素爆発はどうなったか、については、報告では明言を避けている。

中間報告では、事故後の現場での対応の問題や、事前の備えの段階での問題なども指摘されている。

又、安全に対する過信や、起こる筈が無いと、思考を止めてしまった事等の、精神的な側面の問題も指摘している。

今年夏頃には、最終報告が纏まり、事故原因の解明・検証を行うとともに、今後に向けた再発防止のための提言が、公表される予定だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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福神漬とナタマメ

2012年01月13日 14時59分36秒 | 日記

2012年1月13日(金) 福神漬とナタマメ

 

 

福神漬は、カレーライスの添え物として、根強い人気がある。カレーの辛さと対になって、甘味のある福神漬が好まれるのであろうか。福神漬の色は、以前は、紅色が多かったのだが、この所は、自然志向だろうか、茶色っぽいものに変わってきているという。特に、カレー用はそうで、時々食べに行くカレー屋のテーブル上の壺には、茶色の福神漬が、一杯入っている。

福神漬の中のナタマメ(鉈豆)だが、形が面白いので、自分としては、以前から、気になっていたものだ。先日、カレーライスを作ったので、スーパーで、多少高価だが、袋入りのカレー用の福神漬を買ってみた。袋の裏の表示では、材料として

 ダイコン、キュウリ、ナス、レンコン、ショウガ、ナタマメ、シソ、ゴマ

とある。

が、いざ袋を開けて中を見ると、あの面白い形のナタマメが、なかなか見つからず、辛うじて、2~3個、しかも、形が崩れかかった物に、お目にかかっただけだった。すっかり貴重品になっているようだ。

 

あのような形のマメとは、一体、どんなマメなのだろうか。どのように加工すると、あのような、不思議な形になるのだろうか。

ネット情報を頼りに、色々、調べて見た。なお以下に引用させてもらっている画像類は、全て、ネットからの借用である。

 

この豆、立派なマメ科の野菜で、成熟すると、いんげん豆(ささぎ とも)の様な立派な豆になるのだが、若い莢(さや)の時期に、実を採取し、横方向に刻んで、漬け物に入れるようだ。いって見れば、えんどう豆(グリーンピース)を、若いうちに採ると、キヌサヤとして食べるようなものだろうか。

ナタマメの実の莢には、特徴があり、縦方向に、山脈のように盛り上がった構造になっていて、刀剣類の「鎬」(しのぎ)のようになっている、と言う。

この若い莢を、横方向に切った横断面が、福神漬のあの形になる。盛り上がった鎬の部分は、中央からは可成りずれているが、一方、左右はほぼ対称形だ。

      

 ナタマメの若い実(中央が盛り上っている)    若い実の横断面

 

ナタマメという名称の由来は定かではないが、ナタ(鉈)に似ている、ということだろうが、横断面から来たのか、それとも莢を横から見た形から来たのだろうか。

刃物のナタは、以前は、田舎家や山家では、良く使われた道具の一つだが、最近は余り見かけない。都会暮らしの我が家にも、一丁あるものの、殆ど出番が無く、未だに、ピカピカである。ナタの横断面は、細長~い三角系で、ナタマメのそれとは余り似ていない。

 

ナタマメのこの形からは、自分の第一感として、古代に、武器や神事に使われたと言う、銅剣を連想してきた。縦方向に中央が盛り上がり、左右対称の形が少し似ているのだ。

 銅剣 

又、ナタマメは、英名では、horse beans(馬の豆)と言うようだ。馬の顔を正面から見ると、ナタマメの横断面にかなり似ており(下の写真 中央のもの)、うまいネーミングだ。

 

福神漬では、今や貴重品になっているようなナタマメだが、両者には、どのような関連があるのだろうか。

福神漬と言う名の由来は、一説では、七福神の一人の福禄寿に因むようだ。 細長く巨大な禿頭の福禄寿の、白いあごひげのある顔を正面から見ると、ナタマメの横断面に何処となく似ているようにも見えるのだ。

   

     福禄寿        福神漬のナタマメ(中央が馬に 左右が福禄寿に似ている) 

      

このようなことから、明治初期、上野の某漬け物屋が、七福神にあやかって、七種類の野菜を漬け合わせた漬け物を世に出した所、七福神信仰も篤かった当時の風潮と相俟って、大きな人気を呼んだようだ。

この福神漬の中身は、現代も、名前の由来からして、ナタマメは必須だが、他には、ダイコン、ナス、キュウリはどれにも入るようだ。他の材料については、冒頭に示した材料の他、シロウリ、ニンジン、シイタケ、コンブなどが入ったものもあり、バリエーションがある。福禄寿以外の6人の福神達が、どの野菜とどう対応しているか、或いはしていないかは、良く分からない。

でも、最近は、国内のナタマメの栽培量が少なく、輸入が主のようで、安価な福神漬には、なんと、肝心のナタマメが入っていない物もある、と言うのはどうだろうか。

余談だが、長年やっている尺八の、つい先日の新年吹き初めで、 仲間で、山田流の箏曲 「七福神」を、演奏したところである。

 

ナタマメは、莢が若いうちは、漬け物だけでなく、モロッコインゲンのように、通常の野菜として、お浸しや、和え物、煮物などにも使えるようだ。でも、種類によっては、毒性をもつものもり、注意が必要のようだが、一方で、このことが、この豆が、健康食品や、薬用としても利用されている、理由なのかも知れない。

季節が暖かくなったら、種を手に入れて、自分でも栽培してみたいものだ。そして、どのような自家製の福神漬ができるのか、試して見るのも面白そうである。

 

 

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事故原発との長~い闘い

2012年01月06日 15時46分59秒 | 日記

2012年1月6日(金) 事故原発との長~い闘い

 

 

昨年の正月には予想だにしなかったが、重苦しい状況の中で迎えた平成24年(2012年)である。言うまでも無く、東日本大震災が起こったことであり、原発事故に伴う放射能災害も加わって、終戦以来の大惨事となっている、と言えよう。

原発事故に関しては、自らを鼓舞しながら、本ブログで何度も取り上げてきたテーマだが、昨年12月の記事

ステップ2達成と事故全体の収束 (2011/12/22)

以来、宿題になっていた事項の中で、今回は先ず、中長期ロードマップについて、触れることとし、事故原因関連は、次回に取り上げる事としたい。

 

○中長期ロードマップ

事故原発に関わる今後の作業工程が、中長期ロードマップとして、昨年暮れ、中長期対策会議で承認され、公開された。

 

 

今後の作業工程は、大きく、3つのステージに分けられている。

 

 第1期  「使用済み燃料プール内の燃料取り出しが開始されるまでの期間」

      ステップ2完了(20011/12)から2013年度末まで(2年以内)    

 第2期  「燃料デブリ取り出しが開始されるまでの期間」 

         プール内燃料取り出し開始(2014年度)から2021年度末頃まで 

   (10年後以内)

 第3期  「廃止措置終了までの期間」

      燃料デブリ取り出し開始(2022年度頃)から

            ~燃料デブリ取り出し終了まで(20~25年後)

            ~廃止措置終了まで(30~40年後)

 

(各ステージの名称が、「   」で示したように、次のステージでの作業が開始されるまでの期間 となっているので、いささか、呑みこみにくい)

 

今後の具体的な作業内容としては

  ①燃料プールから燃料棒を取り出し、安全な場所に保管する作業

②原子炉内の燃料デブリを取り出し、安全な場所に保管する作業

③原子炉を廃炉にし、建屋を撤去する作業

があり、これらを可能にするための、長い時間をかけた、膨大な量の、計画・準備作業がある。

 

第1期は、一言でいえば、第2期以降に向けた準備期間である。ステップ2の達成で、曲がりなりにも、事故原発は、制御下に置けるようになったので、いよいよ、収束に向けた、本格的な準備が開始できる。

1つは、燃料棒を格納している燃料プールから、燃料棒を取り出す作業の準備期間で、建屋内外を除染し作業環境を整え、燃料棒移動用の機器の開発や整備が行われる。この関連は、大きな困難は無いと思われる。

もう1つは、この期間の最大の任務だが、メルトダウンにより、炉底などに溜っている溶融物(燃料デブリ)を取り出す作業のための準備である。このために必要な機器類や、破損個所の調査・修理技術の確立に向けて、本格的な調査・研究開発が行われる。最も困難が予想される工程だ。これまでの全世界の知見を集める必要があろう。

 

第2期は、具体的な作業としては、①の、燃料プール内の燃料棒の取り出しが行われる。被害の最も少なかった4号機から初めて、だるま落としの様に、順繰りに移し替えていき、全号機について措置する予定だ。

燃料プール内の水中にあった燃料棒を取り出した後は、何処にどのように保管するのだろうか。そもそも、燃料棒の安定的な保存方法は、どのように行うのだろうか。損傷していない燃料棒は、他の原子炉で使うことができるのだろうか。

 

一方、この期間は、圧力容器や格納容器の破損個所の診断や補修を行うための調査や、作業に必要な機器の研究開発が行われ、これらの成果を駆使して、格納容器全体に水を満たし、水棺状態にするようだ。

又、炉内の燃料デブリを取りだすための、ロボットなどの機材を開発、整備する事となる。

これらの作業は、最も危険性が高く厄介な作業であることから、安全性の確保が最重要となる。

この期間では、何度か判断ポイント(HP)を設け、状況変化に応じて、その後の工程の見直しと方向づけを行って行くようだ。

 

 第3期は、大きく

②の、厄介な溶融物を、原子炉から取り出し、安全な場所に移動・保管する作業

が行われ、その後

③の、原子炉自体や建屋の撤去作業

が行われる。

取り出した損傷溶融物である燃料デブリや、原子炉・建屋等の瓦礫等、高濃度の放射性廃棄物を、何処にどんな方法で、安全に、恒久的に保存するかは、極めて大きな問題である。この保存場所については、資料内に明記されているか否かは、確認は出来なかったのだが、少なくとも、事故原発自身に関わる各種廃棄物は、原発の現在の敷地内に、収納場所を確保する他には無いと思われる。この場合、原発敷地の所有権とも関係するが、原発が立地している、大熊町の了解は、必要なのだろうか。

福島第一原発に近く、警戒区域内にある双葉郡双葉町の町長は、避難先での、先日の新年の挨拶で、双葉郡内では初めて、町内への中間貯蔵施設の建設には反対だ、と公言している。

原発敷地外での除染で発生する、膨大な量の放射性廃棄物の保管(暫定、中間、恒久)をどうするかも、原発被災地福島での、極めて大きな、避けられない問題なのである。 

 

ここで、用語のことで触れておきたい。メルトダウンして原子炉の圧力容器内や、メルトスルーで格納容器の底に溜って固まった溶融物は、報告では、燃料デブリ:燃料と被覆管等が溶融し再固化したもの と、聞き慣れぬ用語が使われている。英語の、debri(破片 残骸)の様だ。 米国のスリーマイル島の原発事故の時は、炉心溶融物は、コリウム(corium)とも呼ばれたようで、下記の記事で触れている。

原発事故 避難区域の見直し (2011/4/11)

両者の違いを云々する積りは無く、国際的に通用する用語であれば問題は無い。

 

○今回公にされた資料を見て、その精密な出来栄え(見た目で)に驚かされた。事故原発の収束に向けた実際の作業をこなす中で、先を見た計画を纏めることも行われていたのには、素直に敬意を表したい。事故原発自身を、どのように安定させ、収束に向けて取り組んでいくかが、先ずもって肝要であることは、論を俟たないところだ。

 

前回のブログでは、原発事故による放射能災害全般に関する、今後の課題・要措置事項を、自分なりに整理して、以下のようにリストアップしている。

 

Ⅰ事故原発自体の措置

  a冷温停止状態の実現(ステップ2)

  b周辺に対する各種環境対策(海も) 

  c廃炉に向けた処理(中長期的課題)

Ⅱ放出された放射性物質関連の処理  

  a地域の除染と放射性廃棄物の処理・焼却灰や汚泥の処理(一時、恒久) 

b警戒区域等の解除と住民の帰還

c東日本一帯の放射能汚染問題(食の安全・住の安全等)の解決

d周辺住民の健康管理と追跡調査

e被災者・被害者の賠償問題

 

これらの中で、Ⅰに関しては、今回のロードマップで、かなり明確になったのは、大きな前進といえよう。先のブログの喩を借りれば、生け捕りに出来た恐ろしいライオンを、静かに眠らせるまでの、道のりが示されたのである。

 

然るに、Ⅱについては、問題解決の見通しや作業計画について、個別には、遅々として進められてはいるのだが、全体的な展望が、今回の資料内だけでなく、国内、どこにも、殆ど示されていない。今回の資料が立派であればある程、物足りなく、不満と失望が大きいのだ。

今回の、今後に向けた方向づけは、基本的な必要条件ではあるのだが、原発事故被災者や国民の目から見て、当面、明確にされるべき多くの事項(Ⅱa、Ⅱb、Ⅱc、Ⅱd、Ⅱe)については、殆ど触れられていないのだ。

例えば、昨5日のニュースにあったが、ある自治体(千葉県柏市)では、焼却灰中の放射能が、基準値超のため埋め立てできず、現在の保管場所が満杯になってしまって、先の見通しがないまま、焼却炉一基の運転を止めざるを得なかった、と言う。

これなどは、Ⅱaの一部の問題だが、生活のゴミは確実に出る物だけに、多くの自治体の抱える緊急の問題なのである。

原発事故担当の細野大臣の奮闘は立派なものだが、このⅡに関する、ロードマップの様なものの取りまとめが、急務のように思われ、リーダーシップを発揮して欲しいものである。

 

前述の、Ⅰ、Ⅱは、必須の課題なのだが、問題処理的な作業で、どちらかと言うと、後ろ向きである。でも、それに終わることなく、今回の原発事故を契機にして、福島を、放射線の研究等に関する、国際的なセンターに育てていくことが、重要と考える。 

例えば、Ⅲの課題として、放射線に関する

・各種人材の育成

・防護方法に関する研究開発、

・医療分野での研究開発と知見の集積

などを目標に、地元は勿論、国全体として、前向きに取り組んで欲しいものである。

この場合、今回示された、事故原発に関わる中長期の工程を通じて、当事者間で蓄積される、多様な経験や成果が、大いに生かされるであろうことは、言うまでも無い。

 

 

 

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今年の正月飾り

2012年01月04日 11時39分08秒 | 日記

2012年1月4日(水) 今年の正月飾り

 

 

○昨年暮れ遅く、関西の知人から、年末恒例となった、

  松と、竹と、梅の枝

の初春セットに加え、

紅白の南天の実

を、送って頂いた。知人の庭先から、切り取ってくれたものである。

 そして、近くの花屋から、

ユリの花、アストロメリアの花、千両の実

を買い求め、早速、傘立てから早変わりした花瓶に、一緒に、飾らせて貰った。家人の労作である。

 

 

殺風景なマンションの玄関先が、正月らしい雰囲気になり、何とも、有り難いことである。梅の蕾は、まだ固いままだが、その内に膨らんでくるのが楽しみである。

 

○玄関先と同じ花材達に、風呂場ギャラリーにも登場して貰った。

松と南天の葉の緑

南天の実の赤

ヘメロカリスの黄

と、風呂場の壁面の色、装飾の空と海の青さ、とのコントラストが、面白い。

 

 

                          

松と南天           千両           ヘメロカリスと梅

 

○伝統的な正月飾りである、鏡餅と輪飾りは、近くのスーパーで買い求めた。

鏡餅についている橙(だいだい)は、残念ながら本物ではないのだが、鏡餅のケースの上に、両面テープで張り付け、更にその上に、広げた扇を載せる。最後に、紅白の紙飾りを垂らすなどして、容易に出来上がった。手軽な工作を楽しませてもらったようである。

 

 

また、人形の付いた和飾りは、トイレなど数か所の水回りに飾った。今年一年も無事に過ごせますように、との、ささやかな願いが込められている。

 

 

○連続的な自然の運行の中にあって、敢えて、365日の中の一日に、特別な意味を持たせ、区切りと変化を求める人為の慣わしは、やはり、大切にしていきたいものである。

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