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つれづれの記

日々の生活での印象

日本語での数表現ー助数詞 その2c

2012年01月01日 22時53分50秒 | 日記

 

2012年1月1日(日)日本語での数表現―助数詞 その2c

 

 

 

Ⅱ 簡単な考察

①最近の傾向として、以下の様な事が言えるようだ。

・最近は、大きく捉えると、助数詞は単純化の方向にあると言えるようだ。

その代表的な例が、以下の様なものを、従来の単位を使わずに、○○個と数えるものだ。

 物の名  従来の単位

  斧     挺ちょう

鏡     面めん

銃     挺ちょう

寿司    貫かん

机     卓たく

椅子    脚きゃく

豆腐    丁ちょう

兜     刎はね

三味線   棹さお 

・また、動物については、幾つかに分れて居た助数詞ではなく、○匹と言われることが多い。

  獣 アリ 蚕  頭  →匹

  魚       尾  →匹

  イカ タコ   杯  →匹

  鳥  兎    羽  →匹

  蛇  虫    匹

・更に、共通性が高い単位で数える例として、前出の様に

  細長いもの   本   煙突など多数

  平たいもの   枚   布団など多数

などがある。 

・また、以前の量り売り、バラ売りが少なくなり、袋に小分けした包装や、束にしたものが多く、スーパーでレジがしやすいようになっていることから、纏めた数え方が多い、なども特徴であろう。

・今後は、幾つかの、大きな計数単位に集約されて行く可能性もあろうか。

   

  ② 物の名の単数形と複数形

英語では、物を数える時、大抵は

基数詞+物の名の複数形

となり、物の名とは別の単位は不要である。 しかも、複数形は

     物の名+s

の形が殆どで、例外的なものとして、

wolfウルフ→wolvesウルブズ

などと、語尾が変わる場合を、覚えたものだ

一方、日本語には複数形が無い代わりに、助数詞が発達した、と言えるのだろうか。

 

③ 教養の深さか、好事趣味か

普段余り使われない助数詞を知っていることは、或る意味、教養の高さや知識の広さを意味すると言える。特に、歴史的な事物に関しては、そう言うことができよう。でも、殆ど興味が湧かなくなっていることへの、言い訳ではないが、今や、好事趣味(ディレッタンティスム)と言えなくもない。

以前に良く使われた、漢字による植物名(蒲公英 タンポポ)や都市名(聖林 ハリウッド)等の表示に関する知識ついても、同様で、下記のブログでも触れたことがある。

漢字の世界 その2 国名など (2010/11/19)

 

Ⅲ 結びにかえて 

今回、数の数え方に関する一連の記事を、書く切っ掛けとなった孫の事だが、昨年の暮れからこの正月にかけて、里帰りで、子供夫婦ともども上京して来ている。

正月になって、孫に、月日を言わせてみたら

 1がつついたち、1がつふつか、1がつみっか、1がつよっか、1がついつか

1がつむいか、1がつなのか、1がつようか、1がつここのか、1がつとおか

と、ちゃんと言えたではないか!

そして、件の、じいじの似顔絵で、誕生日を

3がつ9にち

と、書いてあるのを、改めて聞いて見たところ、

   3がつここのか

とちゃんと答えられたのである。

孫が、似顔絵を描いてから2年程経過し、昨春に小1となったのだが、この間に、基数詞と、月日の数え方をちゃんとマスターしていた、ということだ。

数の数え方については、大人になってから覚えるのでは、あれこれ理屈をこねるようになるので、難解に感じるのかも知れないが、子供は、生活の中で、体で覚えて行くものだ、と痛感した次第である。 

 

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日本語での数表現ー助数詞 その2b

2012年01月01日 22時50分58秒 | 日記

 

2012年1月1日(日)日本語での数表現―助数詞 その2b

 

 

③度量衡の関連では、最近は、世界的に、以下の様な、MKS単位系に統一される方向にある。 

長さ 距離      キロメートル メートル 

重さ         トン キログラム グラム

時間         日 時 分 秒

容積         立方メートル リットル ミリリットル

 

このことから、尺貫法、ヤードポンド法 その他の計数表示が、使われなくなりつつある。

 例  尺貫法     里 丁 間 尺 寸

貫 匁 

町 反 畝 坪

石 俵 斗 升 合 勺

ヤードポンド法 マイル ヤード フィート 

        ポンド オンス

        ガロン 

④音便の変化

数える数によって、助数詞の音便が、清音、濁音、半濁音、撥音等に変化する場合があり、規則性はあるものの、やっかいである。 

 

○は行 については、以下の様に、変化する。    (  )は、少ないケース

   撥半濁音  濁音       撥半濁音  撥半濁音  撥半濁音

  は行  単位例   1   2  3   4  5  6  7  8  9  10

は 羽は 把は  わ  わ (わ)  わ  わ (わ) わ (わ) わ (わ)     (ぱ)                 (ぱ)    ば         ぱ      ぱ     ぱ     

  1羽  (itiha)→itiwa→(ippa)

  3羽  (sanha)→(sanwa)→sanba

  6羽  (rokuha)→rokuwa→(roppa)

  8羽  (hatiha)→(hatiwa)→happa 

10羽   (jyuha)→(jyuwa)→jyuppa

 

 発はつ拍はく ぱ  は  ぱ  は  は  ぱ   は  ぱ   は   ぱ       

                (ぱ)

ひ 匹ひき品ひん票ひょう 

 (ひ) ひ (ひ) ひ  ひ  (ひ)  ひ  ひ  (ひ) (ひ) 

          ぴ    び        ぴ        ぴ        ぴ        

ふ 袋ふくろ    ふ  ふ  ふ  ふ  ふ  (ふ)  ふ  (ふ)  ふ  (ふ)

                        ぷ      ぷ       ぷ

へ 辺へん    (へ) へ (へ)  へ  へ  (へ)  へ  へ  ヘ  (へ)

           ぺ     ぺ             ぺ      ぺ          

ほ 本ほん   (ほ) ほ (ほ) ほ  ほ (ほ) ほ (ほ) ほ (ほ)

        ぽ     ぼ        ぽ     ぽ     ぽ

  歩ほ    (ほ) ほ (ほ) ほ  ほ (ほ) ほ (ほ) ほ (ほ)

        ぽ     ぽ        ぽ     ぽ     ぽ

 

○ 3さん、4よん に関する変化もある

   例 3階  さんかい→さんがい

    4歩  よんほ→よんぽ 

 

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日本語での数表現ー助数詞 その2a

2012年01月01日 22時46分44秒 | 日記

 

2012年1月1日(日)日本語での数表現―助数詞 その2a

 

 これまで、日本語の数表現について

  日本語での数表現―基数詞    (2011/12/15)

  日本語での数表現―助数詞 その1(2011/12/20)

で触れてきたが、今回は、助数詞に関する、続編である。 

 

日本語では、事物を数える時、その種類によっては、その名前と、数量の単位名(助数詞/接尾語)が異なるのが、特徴である。この、単位名の種類は、ものの本によれば、500種もあると言われる。

単位名としては、名前の一部が使われているものや、名前や形状等から、比較的容易に類推できるものが多いが、そうでないものもある。

 

Ⅰ 助数詞の状況

①現在日常的に使われているものの例。

    物の名前         使う助数詞

個別に数えられる物      個こ

      リンゴ カンズメ 鞄 メガネ おにぎり 

動物 獣 家畜         頭とう 匹ひき

虫 魚            匹ひき 尾び

鳥              羽は         

細長いもの           本ほん

  煙突 タワー 電柱  ローソク 大根 鉛筆 タバコ 瓶 手拭 列車 ストロー 注射 釘  

平たいもの           枚まい

 布団 ポスター 座布団 絨毯 紙幣 ハンカチ 食パン 下着 用紙   

人               人にん 名めい

自動車 自転車         台だい 

パソコン 電話機 スキー    台だい            

電車                台だい 両りょう

    飛行機 パラグライダー      機き        

船                隻せき  隻そう

家                 戸こ  軒けん  棟むね/とう

本 雑誌              冊さつ 部ぶ  

衣類               着ちゃく

靴 靴下 足袋          足そく

ご飯 汁             杯はい 食しょく

纏めた物             束たば  把は  袋ふくろ  山やま

    菓子 果物 野菜

料理               品ひん  

得票数             票ひょう 

図形               辺へん

歩数               歩ほ

弾丸               発はつ  個こ もある

対局                   番ばん 

和歌                   首しゅ

霊 魂 遺骨 神             柱はしら 

墓石 神輿                基き 

箏 能面                 面めん

 

② 最近余り使われない単位

以前の生活の中では、よく使われていたが、最近は利用頻度が少なくなった道具等の計数単位に、特殊なものが多い。

箪笥              棹さお

行燈 提灯 和傘 蚊帳 弓   張はり

俵                俵ひょう  

掛け軸             幅ふく

兎               羽は(鳥に見立てる)

畝               列れつ

灯篭              基き

褌 三味線           丁ちょう

 

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