2022年8月14日(日) 原爆に因んで
◎8月6日、9日と、原爆に因む日が続き、8月15日は、終戦記念日であるが、終戦は、原爆と無縁ではない。
◇8月6日は、広島に原爆が投下された日で、記念式典には、内外の著名人が出席し、挨拶等を行っている。
松井広島市長の挨拶(平和宣言)は、ウクライナ侵攻の中、厳しい見解を示している。宣言の全文は以下のサイトにある。(広島 平和記念式典 【平和宣言全文】 _ NHK _ )
引き続き、岸田総理、国連グテーレス事務局長などが、挨拶している。
ニューヨークの国連本部では、目下、核不拡散条約(NPT)に関する再検討会議が開催中だが、そんな状況下で、8月6日の広島の式典に、国連のグテーレス事務局長が出席している。
国連のトップが出席するのは初めてで、TV放送では、同時通訳が行われた。
◇そして、3日後の8月9日に、長崎で平和祈念式典が開催された。
田上長崎市長の平和宣言は、TVで聞いていて、大変印象深く、子供達にも解る言い方で、核兵器の状況と、それに対する考え方が示されているものだった。
以下のサイトに全文が掲載されている。( 長崎平和宣言全文 長崎平和祈念式典 2022_8_9 - shuueiのメモ.html)
また、8月9日の長崎には、国連事務局長はどうされるのか、気になっていたのだが、何と、国連事務局次長で、軍縮担当である、中満 泉氏が出席し、事務局長のメッセージを、日本語に直して代読したのである。
中西次長
筆者は、当次長のことは知らなかったのだが、何という、心配りだろうかと、嬉しかった。
◇怒りの広島、祈りの長崎、と言われる。
終戦後間もなく、藤山一郎が歌った、「長崎の鐘」は、希望の歌であった。当ブログの、下記記事に、詳細が載っている。
長崎の鐘に寄せて (2020/12/17) (S30)
◎NPT再検討会議
核兵器拡散防止条約(通称、NPT条約)は、核兵器保有国の増加を防ぐ一方で、核兵器保有国に対しては、核軍縮のための交渉を義務づけている。
NPT条約は、1968年6月の国連総会で採択され、1976年3月に発効している。
日本は、1970年2月署名、1976年6月に批准している。
現在、締約国は、191か国に上っているようだが、インド、パキスタン、イスラエル、南スーダンが、非締約国のようだ。
(この項、核兵器不拡散条約(NPT)の概要|外務省.html を参照)
この条約には、下図のように、
3つの柱があるが、その成果を、定期的に検討する必要があるため、5年毎に、NPT再検討会議が開かれている。
1995年のNPT運用検討会議以降、実施状況等の検討が行われてきたが、2000年の会議は、合意文書が作られたが、次の、2005年には、合意が得られず、2010年はよかったものの、2015年は合意文書が無かったようだ。そして、2020年は、コロナ禍で、会議が延期され、漸く、今年の8月に開催されている。
◎核兵器関連の3条約
核兵器関連の3つの国際条約があり、以下の様だ。
この中で、1968年の核拡散防止条約(NPT)は、最も古く、1996年の、包括的核実験禁止条約が続き、最も新しいのが、2017年の、核兵器禁止条約である。
核兵器禁止条約は、核兵器自身を禁止するという、これまでになかったものだ。
これについては、当ブログで、以下のように取り上げている。
核兵器禁止条約のこと その1 (2022/7/16) (O06)
核の傘に守られている日本は、この条約には、加盟していないが、日本政府は、来年のG7サミットを、被爆地広島で開催するとしている。
参加国の中での、核保有国・非保有国の反応や、日本の政府の姿勢やリーダーシップが注目されるところだ。