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女子バレー リオ五輪最終予選 

2016年05月26日 15時01分46秒 | 日記

2016年5月26日(木)  女子バレー リオ五輪最終予選  

 

  国内の代々木体育館での開催とあって、身近に感じられ、TVのライブ中継も見やすかった、女子バレーのリオ五輪最終予選だったが、辛うじて、日本が出場権を手にすることができて終了した。4年前のロンドン五輪で、久々にメダル(銅)を獲得した日本チームだが、この夏の、リオでの活躍が楽しみである。

この28日からは、男子の最終予選が始まる。 

  本稿では、前代未聞のレッドカード騒動で、運命が大きく分れた、日本とタイの対戦を中心に取り上げたい。 

 

○ リオ5輪出場チームの概況

 リオ五輪には、全部で12チームが出場するが、既に、昨年のワールドカップや各大陸予選で優勝するなど、7カ国の出場が決まっている。

    開催国            :ブラジル

    ワールドカップ 1・2位  :中国 セルビア

    各大陸予選   1位   :アメリカ(北中米)  カメルーン(アフリカ) 

                                        ロシア(ヨーロッパ) アルゼンチン(南米)

 残る5つの枠を巡って、日本とプエルトリコの2か所で最終予選が行われた。日本大会は、アジア大陸の予選も兼ねていて、4つの椅子を巡って、以下の、8カ国のチームが争う事となった。いずれも、各大陸での強豪揃いだ。

      ペルー  ドミニカ  イタリア   オランダ

      日本   韓国    カザフスタン タイ  

  予選は、8チームの総当たり戦である。この中から、対戦結果による順位づけで、アジア代表1枠と、残り3枠のチームが決まる。

順位は、基本は、勝敗数で決まるが、これが同じ場合は、セット率(勝セット数/負セット数)、更には、勝ち点(3-0で3、2-1で2、1-2で1、0-3で0点)で決められることとなっている。

 尚、プエルトリコ大会では、1枠が、プエルトリコに決まったようだ。

 

○ 日本の活躍

 日本は、緒戦のペルー戦、第2戦のカザフスタン戦とも、3-0で、順調に勝ち進んだが、第3戦は同じアジアの宿敵韓国との対戦で、1-3で敗れてしまい、先行きが暗くなった。

 第4戦はタイとの対戦である。タイは、この所、腕を挙げていて、ロンドン5輪の予選では、日本に惜しくも敗れて出場を逃している。 今大会での日本の対戦状況は、以下のように、冒頭の1セット目を失い、第2~4セットは、交互に取るシーソーゲームが続き、第5セットにもつれ込んだ。

        セット  勝敗  得点 失点

     第1セット ●    20-25

     第2セット ○    25-23

     第3セット  ●     23-25 

     第4セット ○    25-23 

 運命の第5セットは、タイの優勢裡で進められたが、途中、審判の判定を巡って、双方から、何度かチャレンジが行われた。

 そして、スコアが8-12と、日本が大ピンチの状況で、タイチームの監督がチャレンジしたことに対して、主審から、何と、レッドカードが提示され、日本に、1点加点されたのである。

 TVのLIVEでは、何が何だかよく分らなかったのだが、後で判明した事は、タイ側でタブレット端末を使って、選手交代を要求したが伝わらなかったようで、その事で、監督が審判に聞きに行ったところ、レッドカードを提示されたと言う。

 この直後だったろうか、日本のセッター宮下が、サービスエースを決めている。

この連続得点で、10-12となって、日本チームのムードが一気に高まったのは否めない。

 

 そして、日本が追い上げ、追いついて、13-12と逆転した時、タイベンチからチャレンジがあったようだ。これも、後の話では、日本のバックアタックの時に、ラインを踏んだのではないかとのクレームだったようだ。試合中でもチャレンジはできるが、ただし、5秒以内ということだ。タイからの要求は、時間を過ぎていたために無効となったが、タイベンチは、タイムアウトを要求したが、それが、遅延行為とみなされ、再び、タイチームにレッドカードが出されたようだ。 

日本は、労せずして、たなぼた式に加点し、14-12と、マッチポイントとなった。最後は、迫田が決めて、このファイナルセットを物にした。

     第5セット ○  15-13  

 

これで、セットカウント3-2で、日本の勝ちとなった。

         勝ち点     日本2 タイ1

         得点(失点) 日本108  タイ109 

この結果、第4戦までで、日本は3勝1敗となり、リオへの望みが繋がったのである。

 

 第5戦は、3-0でドミニカに圧勝したが、次の第6戦のイタリアには、残念ながら、接戦の末に、セットカウント2-3で敗れたのだが、2セット取った事で、最終戦の結果に関わらず、日本は、念願の、リオオリピックへの出場権を確定した。

 最終のオランダ戦は、見応えのある試合で、3-2で接戦を制したのは立派である。体格・体力的に上回る相手に対して、日本チームは、真鍋監督の下、メンバーそれぞれの技を生かし、皆の団結力をもって戦ったと言えるだろうか。

 

 我らが日本チームの、愛すべき14名のメンバーは、下図である。経験豊富なベテランと、若手とがバランスしているだろうか。

筆者は、最近まではバレーボールのTV中継を、偶にしか見なかったので、顔と名前が一致するのは、木村、荒木、長岡の各選手だけと、ごく一部だったのだが、本大会のTV観戦で、ほぼ全員の名前が、言えるようになったのは不思議な位だ。 ママさん選手も居ることは嬉しいことである。(大会概要 | 2016リオデジャネイロオリンピックバレーボール世界最終予選

   

 

 

 ○ 全体のランキング

  今大会の最終結果は下図である。(ランキング | 2016リオデジャネイロオリンピックバレーボール世界最終予選 )

  

 表にあるように、勝敗数と、セット率から

     イタリア、オランダ、日本(アジア1位)、韓国

が、リオ五輪への出場権を獲得した。タイは5位で、今回も惜しい所で出場出来なかった。

  

○ ビデオ判定

 最近のスポーツでは、審判の判定を巡って不服がある時は、ビデオ判定を求められることが、ごく、普通になって来ている。 

*身近なところでは、大相撲の物言い、プロ野球でのクレームがある。 

*テニスでは、錦織選手が活躍するATP大会等で、「チャレンジ」はお馴染みだが、セットで3回迄と制限はあるが、成功する限り何度でも出来るようだ。 チャレンジの結果、専門に監視している線審のコールが、ビデオ判定で覆ることが結構あるのは、興味深い事で、人間の目と機械の目との、鬩ぎ合いにもみえる。

テニスコートによっては、チャレンジに対して、機械判定を使わず、審判がわざわざ、ボールの落下点まで足を運んで、地面に残っているボールの跡を確認する情景がみられ、どこか、微笑ましさを覚えることだ。

 *バレーボールで、ビデオ判定を求めるチャレンジシステムが、試行期間を経て、国際大会に正式に導入されたのは、2014年の世界バレーからのようだ。タブレット端末で、ベンチからチャレンジをリクエストできるようだ(1セットで2回まで可)。一方、選手の交代や、タイムアウトの要求も、このタブレット端末を使う事となっているようだ。未確認だが、タブレット端末の導入は、今大会からとの情報もある。

 

○ レッドカード

 格闘技に近い、サッカーやラグビーでは、レッドカードはお馴染で、悪質な危険行為をした当該選手は、退場となり、終了まで、1名少ない人数で戦うこととなる。

 バレーでは、ネットを介した対戦であることから、選手の危険行為は考えられない。 従って、バレーでのレッドカードは、頻度は少なく、試合の進行を意図的に妨害する、遅延行為が主になるのだろうか。そして、レッドカードで、相手側に加点されると言う、変わったルールであることも、今回、初めて知ったことだ。

 今回のハプニングを見る限り、ベンチ、審判を含め、タブレット端末を使ったチャレンジシステム全体としては、まだ、習熟度が低く、十分には定着していないように見える。

 チャレンジを濫用して、時間稼ぎをしたり、相手のペースを狂わす、といった、やや悪質な使い道もあり得ることだが、今回、主審が、遅延行為と見做し、レッドカードを提示したたことは、かなり性急にみえる。 導入して余り間が無いシステムへの習熟の一環として、性善説に立って、タイの監督のクレームを聞き、丁寧に対応しても良かったと思う。(少なくとも1回目は)

タイの監督やチームメンバーとしては、憤懣やる方なし、ということだろう。

今回のチャレンジ騒動は、観客から見れば、様子が分らずイライラさせられた、という印象が強い。 

 

 日本―タイの対戦の後、国際バレーボール連盟(FIVB)は以下の様な声明を出しているようだが、あくまでも、タイ側の責任とするスタンスだ。(バレーのビデオ判定要求「端末操作の習熟を」 国際連盟 (朝日新聞デジタル)) 

“国際バレーボール連盟(FIVB)は21日、記者会見を開き、今大会で実施しているビデオ判定を求める「チャレンジシステム」について、参加国がチャレンジを要求する際に使うタブレット端末の操作に習熟するよう求めた。”

 

○ レッドカード提示が無かったら?

 ここで、あくまでも仮定の話だが、若し、日本―タイ戦の第5セットで、レッドカード提示は無く、主審等が丁寧に対応し、日本が、例えば、10-15で負けていたとしたら、結果は如何なっただろうか、見てみたい。

先述の順位表で、第5戦以降の、日本、タイ、韓国の成績はそのままと仮定すると、

   タイは、5勝2敗で3位で出場権    アジア1位

   日本は、4勝3敗で4位で出場権  アジア1位を除く全体3位

   韓国は、4勝3敗で5位で敗退     勝敗数では日本と同じだが、セット率で5位

となる。

 でも、日本の士気は更に下がったと考えると、日本のセット率が、韓国より悪くなって、出場権が得られなかったかも知れない!

 

 殆ど諦めかけていたタイ戦の最終セットの土壇場で、2枚のレッドカードで加点されたことが、日本チームの雰囲気を変え、勝利に大きく繋がった要因、と筆者はみている。 

でも、大方のマスコミ等では、この事で勝てたとは殆ど言わず、あくまでも、選手達の力と頑張り、としているのだがーー。

 

 ただ、日本チームとして、又、開催国として、タイの監督が非難しているような、やましい不正は、何らしていないのは事実であろう。

主審は、メキシコ人だったようで、公正に判断したと思われるが、やや杓子定規に、レッドカードの規定に従った、と言う事かもしれない。

 


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バレーボール中継への苦言 5月25日、東京新聞掲載 (橋本弘行)
2016-05-26 16:52:37
リオ五輪バレーボール世界最終予選(TBS・フジテレビ)
日本開催のバレーボール世界大会のテレビ中継にはいつも辟易する。
スポーツ中継とは思えぬアナの絶叫が耳をつんざき、太鼓の音がテレビスピーカーに轟く、画面では観客の棒がチカチカし、少年のタレントグループがしょっちゅう顔を出し、多すぎる解説者がとっかえひっかえ登場する。
作戦タイムでは、打ち合わせ内容をマイクが拾い。対戦チームのプレイ表情が映ることは少ない。
日本チームのユニフォーム広告の醜さは、テレビ真正面の会場広告と合わせ、これが日本開催理由だ!(日本開催は広告収入のため)とばかり言っているようだ。
これではスポーツではなく、大音響の中、一種ショウビジネスである。
大相撲の張り詰めた緊張感の取り組みの後だったから、スポーツ中継の違いを一層感じた。
スポーツの観戦の妙は、チームプレイ、技術、気合い、かけ引き、に自分が溶け込んでいくところにある。通常ボリュームを超える音量にかき消され、重要なプレイへの集中力が途切れてしまうのは残念だ。
ユーロスポーツの中継(インターネット配信)との違いが大きい。
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