2024年6月22日(土) 郵便料金の値上げ
先日の6月13日、日本郵便から、郵便料金の値上げについて、総務省に届けたと発表された。
(参照:郵便料金30年ぶり値上げへ 10月から手紙110円に _ NHK _ 総務省.html)
実施時期は、この10月からという。
◆主な種別の値上げ案は、以下だ。
・郵便はがき 現行63円⇒ 84円
・封書 25gまで 現行84円⇒110円、
50gまで 現行94円⇒110円 重量の区分を無くし統合
・速達(追加分) 現行260円⇒300円
値上げの理由は、収支改善のためという。
はがき、手紙の料金推移は下図のようで、値上げするのは、1994以来30年ぶりとか。
下図は、国内郵便の利用数の経過を示しているが、この所、減少傾向が大きいようだ。
郵便事業の収支状況は、発表資料によると以下だ。(単位 億円)
内国 国際 合計
・2019年(R1) +293 +83 +376
・2020年(R2) +175 +65 +240
・2021年(R3) +15 +63 +78 三種(雑誌、新聞)が大幅減
・3022年(R4) ―246 +35 -211
・2023年(R4) 2024年7月に発表予定
上述のように、この10月から値上げされる予定だが、値上げせずに進むと、下図のように、2023年度で ―909億円(2024年7月の発表で確認可能)、2027年度では、―3000億円の営業損失になるという。
◆価格弾性値
マーケティング用語に、価格弾性値という言葉がある。価格の変化と、需要の変化の関係を表す数値のようだ。
下図は、価格弾性値が小さい商品Aと、大きい商品Bについて説明している。
価格弾性値が低く0場合は、XY軸と45度で交わる線、高く1の場合は、X軸と水平となる。
必要性が高い生活必需品は、値上げしても需要が余り変わらず、価格弾性値は小さい。
これに対し、贅沢品と言われる、車 ブランド品 宝石などは、価格変動に敏感で、価格弾性値は大きいと言われる。
しからば、郵便物はどちらに入るか、価格弾性値はどうか、ということになる。
商品の値段考えるとき、値段を変えても需要は変わらないと考えがちだ。もしそうなら、話は簡単で、収入はどんどん増えていくこととなる。でも、値上げすれば、重要は減少するわけで、そう、甘くはない。
郵便事業は、ユニバーサルサービスと言われていて遍く提供する義務がある。一方、スマホや電子メールなどの普及があり、紙メディアの未来は明るくはないだろう。
値上げによって、郵便事業が、暫し黒字になっても、再度、赤字に転じることは無いのだろうか。