ケイの読書日記

個人が書く書評

益田ミリ 「お茶の時間」 講談社

2018-08-19 14:06:41 | 益田ミリ
 益田ミリさんのコミックエッセイ。ミリさんは、もともとCafeが好きな上に、仕事柄、編集者とカフェで打ち合わせすることが多いので、すごく頻繁に利用している。話題のカフェが開店すると聞けば、すっ飛んでいくし、女性誌で取り上げられたカフェはすかさずチェック!
 高級ホテルのカフェなどお金がかかるし、一人では敷居が高いが、担当編集者と一緒なら、大手を振って入っていける。支払いは出版社持ちだしね。

 先日、ミリさんは仕事の打ち合わせでホテルニューオータニへ。編集長に叱られないかなぁとしおらしいセリフを口にしながら、1ピース3000円の『エクストラスーパーあまおうショートケーキ』を注文する。どんな豪華なケーキだろうか。これに紅茶orコーヒーと税金が付き、担当編集者も同じものを頼むだろうから、トータル1万円くらいか。
 キャバクラに連れて行けと言われるより、うんと安くすむから、出版社にすれば有難いかもしれない。もちろんミリさんは売れっ子だから何でも許される。
 しかし、コーヒー1杯注文するのも、担当さんの顔色をうかがいながら…という売れない作家さんが、いっぱいいるんだろう。
 それに、以前売れていた作家が売れなくなると、そのもてなしの落差に落ち込むのではないか? 売れてる時はホテルのCafeでケーキセット、さほど売れなくなるとファミレスのコーヒー、さっぱり売れなくなると、担当さんに電話しても出てもらえなくなったりして…。


 ちょっと前のTVで、芸人のヒロシが取材を受けていて、スタッフの対応の激変ぶりに嫌気がさしたと言っていた。月収4000万円の絶頂期にはもちろん広い個室の控室で、だんだん売れなくなると物置のような控室。一度パチンコ屋へひげ男爵やヒグチ君と営業に出掛けた時、3人で1つの控室、その部屋のテーブルには1本のミネラルウオーターだけ置いてあった。コップも何にもなし。どうしろって言うんじゃ!? 本当に惨めだったという。
 んんん、人間というのは、大切に扱われたいのよね。当たり前の話。「取るに足らない人間」という扱われ方をされたくないのだ。


 話は大きく変わるけど、教育評論家や精神科医が「最近の若者は驚くほど自己評価が低い。だから犯罪に走るんじゃないか」と発言するよね。本当? 自己評価が高すぎて自己愛が強すぎて、犯罪を犯すんじゃないの? だって自分を取るに足らない人間だと思っているなら、どんな扱い受けたって腹は立たないよ。自分は優れた人間だ。こんなヒドイ扱いは許せない、と怒りに燃えるからこそ、銃を乱射したり人の頭を金属バットで殴ったりするんでしょ?

 ああ、ケーキの話からとんでもなく遠のいた。皆さま、ごゆっくりお茶をどうぞ。

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