ケイの読書日記

個人が書く書評

酒井順子 「中年だって生きている」

2016-09-20 15:20:09 | 酒井順子
 すごいタイトルだなぁ。当たり前じゃん。中年も生きているって事は。酒井さんって、あまりにも若さに価値を置きすぎていると思う。「中年になってゴメンなさいね」ってお詫びしているような題名。その実、「でもね、私は中年だけど、おばさんじゃないのよ!」というふてぶてしさが感じられる。

 酒井さんはエッセイの名手なので、楽しく読んでいたが…『寵愛』という章で、あの小保方晴子さんに対する攻撃が…。
 あれ?! これ読んだことあるかも、と自分のブログや読書ノートを調べても、読んだ形跡がない。だいたい、このエッセイ集は2015年5月に刊行されているので新しいのだ。 
 という事は、酒井さん、あちらこちらで激しい小保方バッシングをしてるんだ! で、私はそっちの方を読んだと思われる。(エッセイ集って、こういう事がよくある。同じ題材で、あちこちの雑誌に書くから)

 だいたい、スタップ細胞があるかないか or 論文をねつ造したか否かが問題ではなくて、男性上司が彼女を贔屓したことにムカついているようだ。エッセイ中にも「若い女として存在することによって、おじさま達から無条件で可愛がってもらえる」「ちょっと前まで私が享受していた利益を、この人に奪われた」という感情を嫉妬と認めている。
 「ちょっと前まで」なの? 何十年も前じゃなくて? こうやって認めることによって、公正な判断力のある自分を演出している。

 しかし…ねぇ、酒井さんって、本当に女子校育ちのいじめ体質の人だと思うなぁ。「男性にはウケが良い彼女(小保方さんの事)でしたが、女性からの評判は芳しくありません。ヤワラちゃん以来、久しぶりに『女に嫌われる女』のスター登場という感じがして」などと、言いたい放題(書きたい放題)。
 それでいて、小保方さんを「オボちゃん」と呼んだりして、親しさを演出。
 
 酒井さんって、小・中・高とクラス内のスクールカーストの頂点に君臨して、自分はあまり表面に出なくてもクラスメートを操り、いじめをやっていただろうね。場の空気を読むことに長けているし、頭が良いから腹芸ができる。

 いつもは面白く読んでいる酒井順子さんのエッセイですが、今回はカチンと来た。

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2 コメント

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Unknown (コウイチ)
2016-09-24 11:11:27
小保方さんが男には可愛がられて、同性には嫌われるというのは分かるような気もします。
個人的には同性から嫌われそうなところこそが男の目から見て可愛いと思うのですが、それはさておき、酒井順子さんってそんなにモテるんです? 画像見る限りだとピンとこないんですよね……。
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コウイチさんへ (kei)
2016-09-27 14:10:39
 コメント、ありがとうございます。
 もともと理系女子は絶対数が少ないので、若くて可愛ければ男性上司の覚えがめでたく、女性同僚がカリカリするのは、理解できます。
 でも、よくある事じゃない? 非難するのは、研究結果や論文の内容に対してであって、謝罪会見の化粧法や服装ではないと思うけど。
 
 酒井順子さんは、なんといってもバブル世代なので、いろいろ楽しいことがあったと思われます。
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