ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ 「三人暮らし」

2016-08-16 14:14:59 | 群ようこ
 先回の群ようこさんのエッセイ『財布のつぶやき』で、真剣に仲の良い女3人で暮らすことを考えているとの記述があったので、この『三人暮らし』という本の中には、その顛末が書かれてあるのか…と期待して読んだが違った。これは短編小説集。フィクション。

 群ようこって、エッセイは面白いが、小説はイマイチなんだよね。この短編集も、残念ながらそう。

 独立したての若い女の子たち。75歳すぎて助け合いながら暮らす老女たち。それぞれ一人暮らししていた姉妹が、それぞれリストラにあい実家に戻って母親と3人暮らしになる話。などなど、十組十色の三人暮らしを書いている。

 他にも…バリバリのキャリアウーマンで編集者として働いている姉の所に、旦那とケンカしたと言って妹が子ども(編集者にとっては姪)を連れて転がり込んでくる『異物』という話がある。生活パターンが全く違うし、子どもが苦手な編集者は、最終的には二人を家から放り出して、せいせいする。
 ドラマでは、ここで、仕事ばかりしている編集者と、大人不信になっている姪っ子の心が通い合い…というストーリーになるのだろうが、群ようこは、きっぱり子ども拒否。

 そうかというと『友だちではない』という短編もある。仲良い友人3人が、素敵な都心の外国人向けのマンションに住んでいたが、その中の1人が結婚しマンションを出たので、新しい住人を募集した。そうでないと、3等分している家賃が2等分になり、高すぎて払えないから。
 でも、その新しい住人がストレスになって…。
 結局「あの人は、ただの同居人。友達ではない」と割り切ることになる。必要に迫られればスパッと割り切ることができるんだろうか? 私には無理のような…。

 だいたい、部屋をくじ引きで決めて文句を言わない、という事が信じられない。南向きの部屋と北向きの部屋だったら、家賃の負担が違うのは当たり前だと思うけど。不動産屋に、それぞれの部屋の価値を査定してもらった方が良いと思うよ。

 こうやってブツブツ文句を言う私には、ルームシェアは出来ないね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 角田光代 「巡る」 | トップ | 倉知淳 「片桐大三郎とXY... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

群ようこ」カテゴリの最新記事