ケイの読書日記

個人が書く書評

京極夏彦「塗仏の宴・宴の支度」

2010-01-14 13:59:08 | Weblog
 昭和28年春、小説家・関口のもとに奇妙な取材依頼が来た。伊豆山中の集落が住人ごと忽然と消え失せたのだという。

 こういった魅惑的な謎から始まったこの小説は、なんとこの「宴の支度」編は前編で「宴の始末」という完結編があるのだそうだ。なぁんだ、早く言ってよ。

 お正月用にと、分厚い長編を図書館で借りたが、お休みが短かったし忙しかった事もあり全然読めず、暑さ35mmを恨んだ。一体どうしてこんな長くする必要があるのだ、と。

 内容は面白いが、私にとって作者の知識のひけらかしとしか思えない部分も多い。
 例えば「しょうけら」という章では、刑事の木場に京極堂が「庚申」という徹夜をすると長生きするという奇妙な習慣の説明をする。それがメチャクチャ長い。
 中国の仏教や道教や神様まではいいとして、インドの神様までが出てきたのには驚いた。それらが日本の土着信仰と結びついて、もうゴチャゴチャ。
 日本という国には、人間より神様の方が多いんじゃないかと思う。

 興味がある人なら喜んで読むだろうけど、私ではね。読み終えるのにかなり苦労した。

 とにかく、今度は「宴の始末」を読まねばなりますまい。でも、それまでにドッサリ出てきた固有名詞を忘れそう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする