ケイの読書日記

個人が書く書評

山本貴代「晩嬢(バンジョー)という生き方」

2010-01-24 22:02:54 | Weblog
 これも新聞の書評欄で紹介されていたので読んでみた。
 晩嬢というのは、晩婚・晩産の30代以上の女性の事。もちろん筆者の造語。その晩嬢たちの生態を理解し、経済を活性化させようというのがこの本の趣旨。

 読み始めてきわめて強い違和感を感じた。景気よすぎるのだ。もちろん首都圏のハイクラスな30代以上独身女性をアンケートの対象としているから、可処分所得が多いのは当然としても、あまりにも現実とかけ離れているのではないかと。
 
 そしてハッと気付き出版年月日を見ると…2008年7月20日初版発行。つまりリーマンショックの前なのだ。どうしてそんな古い本が最近の新聞書評欄に取り上げられていたのか不思議だが。

 だから派遣切りも、失業率5.5%も、就職内定率最低更新も、まだ起こってない時のお話なのだ。

 どれだけ景気がいい話が載っているか書き写してみると「私の豪華出費」という章で、証券会社勤務・37歳女性がこんな事を書いている。
 「ボーナスのうち100万円を自分を変えるためにつぎ込んだ」とある。
 え?! なに? つまり1回のボーナスが100万円以上あったってこと?夏冬あわせてじゃなくて? うっそー!! シンジラレナイ!!

 こういった腹立たしい、そして羨ましい記述があちこちにある。

 もともと筆者の山本貴代さんは、博報堂生活総合研究所上席研究員。つまり裕福な人たちにもっとお金を使わせようと調査するのが仕事。
 貧乏人は眼中にない、というカンジですねぇ。




















コメント
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