ケイの読書日記

個人が書く書評

アガサ・クリスティ「三幕の殺人」

2008-12-25 11:15:35 | Weblog
 最初、登場人物の名前のところを見て、読んだ事があるかもと思ったが、どうも読んだ事はなかったみたい。しかし、映像で見た覚えはある。たぶん、テレビドラマだったと思う。

 つまり、それだけよく似た登場人物、よく似た舞台設定、よく似た物語展開だという事。クリスティお約束のミステリ。

 さまざまな難点があるにせよ、クリスティの作品は面白い。この小説の中にクリスティの男性観がレディ・メアリー・リットン・ゴアの言葉として述べられている。
 「女の直感について、色々書かれたり言われたりしていますけれどね、私はそのような物はないと思いますの。
 あの人は悪い人だ、などと言われると、より魅力を感じてしまうものなのですよ。自分の愛をもってすれば、男性を改心されられるなんて思ってしまいましてね。
 色々な事がわかるようになった時は遅すぎるのです。」

 本当に同感だ。それはクリスティ最初の夫アーチボルトとの結婚の失敗でつくづくわかるようになったんだろうか?
 こういったクリスティの男性観は作品中いたるところで出てくる。

 彼女はとても幸せな再婚をして、作家としても大成功を収めたのだが、それを先夫はどう見ていたんだろうか? なんせ多額のお金が手に入るはずだったのだ。アガサと離婚してもったいない事をしたな、と思わなかったんだろうか?
 なんせ女房の金を使う事に、これっぽっちも罪悪感を感じていないようだから。イギリスの男は。
コメント
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