ケイの読書日記

個人が書く書評

カーター・ディクスン「赤後家の殺人」

2007-04-06 23:50:33 | Weblog
 すっごく忙しいので本が全然読めずフラストレーションたまります。ずいぶん前に読んだ本を紹介します。

 赤後家の部屋にまつわる恐ろしい伝説など、大変よく出来ていて舞台装置は十分なんだが、かんじんの推理の部分がパッとしない。

 150年の間、4人が謎の毒死をとげたその伝説を利用して邪魔な人間を殺す。「誰が一番得をするか」から考えれば犯人はすぐわかる。(私はわからなかったけど)結末からみれば、なーんだということ。

 しかし、フランス革命後、恐怖政治の時代は恐ろしいなぁ。ギロチンという名はギロチンという人が考えた処刑器具だと思っていたら、革命以前から、南フランスやイタリアで処刑に使われていたらしい。
 ギロチンという人は、それを死刑の公式な様式にしようと提案しただけで、それで彼の名前が付いたようだ。
 ということはフランスでは、ピエール・ギロチンとかジャン・ギロチンとかいう名前の人がいるんだろうか?

 見た目は凄く残酷な刑罰だが、あっという間に終わり苦痛も少ないんではないか? 少なくとも江戸時代の「市中引き回しの上はりつけ獄門」よりもずっとラクな気がする。
 しかし、かつての高貴な方々が膝をガクガク震わせギロチンの処刑台に並び、遣り損じがないよう、首切り役人に自分のドレスについている貴金属を差し出すところなど、鬼気迫るものがあるね。

 
コメント
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