本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

少子化極まる

2019-12-26 08:51:38 | Weblog
 昨日の新聞によると、今年の出生数推計は86万4千人とある。初めて90万人割れとか。少子化はとまらない。
 ある本に寄りかかって述べると、その根本原因は結婚を大前提とする出産にあるそうだ。妊娠するとあわててできちゃった結婚する。ところが、結婚できない場合だったあるだろう。
 
 フランスでは婚外子への差別をなくすことによって出生率が高まった。なんと婚外子の新生児が5割以上という。
 もちろん、それだけではない。フランスでは妊婦の医療費は基本無料、産休も法制化、3歳になるとみんな保育学校に入るなど生みやすく育てやすい国家レベルの少子化対策システムが手厚く整備しているのだ。

 婚外子の比率で言えば、北欧の高さは知られているが、イギリスでも5割に近いそうだ。一体、日本の未婚の母の子はどれだけの比率だろうか。

 日本では、児童虐待死やいじめによる自殺もある。児童相談所の不作為や学校の優柔不断で命を落とすのだ。なんたる国か。


子規の句

2019-12-25 09:18:19 | Weblog
 正岡子規の句に「鶴の巣や 場所もあらうに の家」がある。
 子規の時代には差別用語の認識に無自覚だったに違いない。それを昭和も半世紀すぎてから差別はけしからんと読者が出版社に抗議したとか。

 ものの本に、「」は軍事の補助や罪人の管理などの公的仕事や皮革製造をしていた職業持ちとある。また、「」は浮浪者今風に言えばホームレスとある。
 いささかきれいごとくさい説明であるが、おそらく、子規はその程度の意識ではなかったか。

 そもそも現代からみて、子規の句の巧拙や好悪を論じてもはじまらない。その時代の背景を通して評価するべきだろう。第一「」は現代用語ではほとんど死語ではないか。
 
 子規のふるさとの松山駅に「春や昔 十五万石の 城下かな」の句碑があった。たしかにこちらの俳句は悠然として楽しい。もうひとつ、蛇足ながら私の生まれ故郷の殿様も十五万石の藩主であった。

旭日小綬章は妥当か

2019-12-24 08:53:53 | Weblog
 先にアフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さんに「旭日小綬章」と「内閣総理大臣感謝状」を贈ると報じていた。
 
 旭日小綬章とは、勲四等ほどの勲章のようだ。中村さんの功績を考えれば、もっと上位の叙勲であるべきではないか。ただ、中村さんはどんな勲章もまっぴらごめんかもしれない。

 そんな勲章や総理大臣の感謝状ではなく、国民栄誉賞で称えたならば少なくとも国民は納得すると思う。
 ノーベル平和賞を授与されるにふさわしい人なのだから。

伴侶の死

2019-12-23 09:01:51 | Weblog
 兄嫁が昨年9月に亡くなった。そして今年の5月にその兄が逝った。
 かみさんに先立たれると、往々にして亭主は余命をちぢめて追いかけるという。本当だろうか。

 ある本にある調査によると、伴侶を亡くした夫の余命短縮化リスクが23%増加するそうだ。

では、夫に立たれる逆の場合はどうか。こちらのリスクは4%程度の増加とか。
後に残るパートナーのほとんどは寡婦だろうから4%でも大きい数値の気がしないでもない。
本来、女性の場合、夫の頑固や気難しさから解放され、平均寿命をはるかに超えて長生きするのではないか。

 ところで、この調査は東大大学院の准教授がハーバード大学の大学院生と行った研究によるとあった。一体、日米どちらの調査だろう。不親切な本だ。

ドル紙幣 サンフランシスコの想い出

2019-12-22 09:12:54 | Weblog
 時差のせいで朝まだき目が覚めた。やむなくホテルを出て、ぶらぶらとサンフランシスコならではの坂道を歩いた。どこも店は閉まっており閑散とした街の風情である。むろんケーブルカーも運行していない。

 だいぶ歩いたころ、お腹の調子が変になった。しかし、早朝にトイレを探しようがない。これには弱った。やっとタクシーを拾ってホテルに戻った。
急いでタクシーを降り「Keep the change」(お釣りはとっていて)と言った。背後から「サンキュー!」の声がした。

 あぶら汗を垂らしながら部屋に入り、なんとかトイレに間に合った。
 たしか十数ドルの運賃に20ドル紙幣をあげた、と思ったのだが、なんと、実際は100ドル札をやってしまった。米ドルは同じサイズで青の同色である。初めてのアメリカで初めてのドル紙幣に慣れていなかったのだ。

 運転手からすれば、まことに腹の大きい日本人の青年だったろう。
では、1ドル、2ドルの話に移る。

 サンフランシスコといえばゴールデンゲートブリッジ。通行料1ドルだが、ある時2ドルに上げたそうだ。ところが2ドル紙幣がないからお釣りに手間取る。朝のラッシュ時は大渋滞になった。それでまた1ドルに値下げしたとか。
 当時、2ドル値上げの悲劇というわけだが、今はどうだろう。