本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

上士と下士

2010-10-06 12:36:39 | Weblog
 NHKの大河ドラマは観ない。週1回ペースの1年長丁場に根負けするからだ。最後まで観たのは『赤穂浪士』だった。ただし、初回だけは観る。今の『竜馬伝』も一話のみだ。

 それはさておき、その『竜馬伝』の一話で、土佐藩の上士と下士とでは著しく身分に差があったと伝えていた。そのわけを、のちの場面で明らかにしているかどうか知らないが、その説明がなければ得心がいかないだろう。

 司馬本をタネに敷衍すると次のようなことだ。
 土佐藩の戦国大名は、長宗我部家である。しかし、関ヶ原の戦いで西軍に加担したため廃絶され、遠州掛川の藩主山内一豊が土佐一国を得た。この山内家の子飼いが上士で、長宗我部家に仕えていた者は郷士となり、のちに下士になった。この違いが上士の横柄につながった。
 
 竜馬の時代の藩主山内容堂は、十五代目になる。となれば、およそ二百数十年もの間、上士は威張りくさっていたことになる。つまり、単に禄高が少ないとか、身分が低いとかによって侮蔑していたのではない。農工商の人たちと同様、人種が違うという発想か。あるいは掛川から舞い降りて、土着人への劣等感の裏返しかもしれない。

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