本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

誤用

2016-06-16 09:12:28 | Weblog
 読売の新聞小説の『花咲舞は黙ってない』(昨15日掲載)にこんな文があった。
 「…どれだけそうしていたか、やおら顔をあげると…」

 この「やおら」だが、文脈から「出し抜けに」とか「いきなり」とかそんな意図で使っている気がする。
 「やおら」は静かに、そろそろの意である。もしかして「やにわに」のつもりだったのではないか。

 こうした誤用については、またの機会に書いてみたい。
 
 ついでながらタイトルにある「黙ってない」は「黙っていない」からの「い」抜き言葉である。買ってない、売ってない、行ってないなどの「い」抜きと同様の話し言葉なのだ。
 となれば、誰かが花咲舞は「黙っていない」と言ったことになるが、そうではなく当の本人が黙っていないのだろう。