本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

出所の豆腐

2016-06-18 09:45:20 | Weblog
 この時期、冷奴がおいしい。ただし、ちょっと高めだが、250円ほどの絹ごし豆腐に、たっぷりのネギとすりおろした生姜の薬味さらにミョウガがあればさらによい。
 
 韓国ドラマでは、刑務所から出所すると豆腐を喰わせるシーンがある。クロだった受刑者がまっさらに白くなるとか、豆腐の角をかじって丸くなるとか、栄養不良だったから高タンパクを補充するためとかいろんな説があるようだ。

 金達寿の小説に『朴達の裁判』がある。その中に「むかしから、警察での拘留や刑務所からかえってきたものにこうして生豆腐を食わせるのは、そうすると、ふたたびもうそこへはもどらないといういいつたえがあるからである」という一文がある。

 なぜ、「戻らない」ことになるのか、そこがわからない。
 ともかく、この小説は豆腐のように歯ごたえがなかった。