本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

稚内の読み方

2013-04-02 10:06:48 | Weblog
 北海道を初めて訪れたおばさんは、札幌駅から稚内行きの列車をさがした。このおばさんは稚内(しいない)と読むと思ったらしい。
 それで、駅員に「しいない行きはどこから乗るのですか」と尋ねると、駅員は「わっかないですね」するとおばさんは「駅員なのにわっかないのか」とむっとした。
 これ、ある随筆の「勘違いの話」の要旨である。実際の話とあるが眉唾ものだ。

 まず、「稚」は幼稚の「ち」が音読みで、和語なら「おさない」となるだろう。稚内の読み方を知らなければ「ちない」か「おさない」と読むはずだ。つまり、「ちない(おさない)行きはどこから乗るのですか」と尋ねるところだ。「しい」と読むのは椎の木の「椎」だ。前提から笑い話にならない。

 次に、「駅員なのにわっかないのか」のオチはどうだろう。ここは「わっかないから尋ねたんです」というのが筋道ではないか。

 つまらないことにこだわった。
 40数年前の厳寒の2月に稚内に出張したことがある。さびしい北の果てと思っていたが、意外に賑やかだった。なんでも自衛隊のレーダー基地があり、駐屯部隊の数も多いと聞いた。当時は冷戦にあり、ソ連に対峙する最前線だったのだ。今はどうだろう。