本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

刑務所発注

2011-08-03 10:26:57 | Weblog
 大昔になる高校時代、文芸部に所属していた。年に1回、文芸誌を発刊するのだが、クラブ予算は雀の涙ほどしかない。 それで、広告取りに走りまわった。

 広告は5センチ平方形を1面として、B5判の1ページに6面とれる。印刷製本費を賄うためには、ざっと50面、ページ数にして8ページ分のスポンサーが必要だった。ただ、手前味噌になるが県下一の進学校だから、商店や会社や医院が付き合ってくれたものだ。
 もっとも、百部しか印刷しないのだが、千部発行とウソをついた。そうでなければ、さすがに広告は渋っただろう。

 印刷は安いから刑務所に依頼した。受刑者が活字を拾うのだろう。どんな思いで、高校生の甘ったれの詩や創作を読んだか。
 ゲラ刷りなんぞくれなかったと思う。初校だ、再校だという意識もなかった。それで、出来上がりに相当のミスがあった。思い出話でした。