ジェンダーからみるカンボジア

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カンボジアでの離婚の手続き

2012年03月25日 | 女性の自立

 

 

「知り合いが離婚したいのですけれど」と、コメントでお問い合わせをいただいたので。簡単に回答します。

わたしがこれまでかかわった離婚関係問題の経験と、弁護士さんとか関係者に問い合わせた結果をまとめると、法律結婚している場合における離婚は、裁判所に行かないと不可能。その場合、片方が離婚に反対している場合でも、「離婚を望まない配偶者より多額のおカネ」を支払えば可能。残念ながら、周辺のもめ事を見てると、人身取引だろうがレイプだろうが、弁護士をたてたとしても、裁判所に事件を持ち込んでいたとしても、おカネで解決してしまうケースのほうが多いのだ。ちなみに、お金を支払う相手は、たいていの場合弁護士がちゃんと把握してる。

↓かんぱーいの練習をする子どもたち

 

昨年12月までの親族家族法では、離婚には裁判所で3回の調停が必要である(さらにその場に弁護士は立ち会えない)ってことになっていたけれど、実際におカネでカタをつけて調停を全部ぶっとばして子どもの親権まで勝ち取った知り合いもいる。彼女は事実婚だったのだけれど、家をどうするかでもめたのだ(彼女は家も勝ち取ったけれど、そのあとの子どもへの養育費は無理だった)。

ただ、昨年12月から施行になってる民法では、離婚の調停は、協議離婚は裁判所に持ち込めるけれど、それ以外は(片方が離婚したくない場合)、とりあえずコミューン・サンカットに申し出て調停を経て、その後裁判所に持ち込まないといけない手続きになってる。裁判所では、「一方が強く離婚を希望していても、調停を試みる」こととされていて、結婚という絆がとっても重要視されているのがわかる法律になってる。

 ↓離婚となると、親権をどうするかは深刻な問題・・・・・

久しぶりに弁護士さんにいろいろ話をきいたのだけれど、法律上の手続きと、実際の手続きがあまりにも違うので、なんともややこしいし、女性にとってとても不利になってるのが現状。「民法は新しいし、裁判官のほとんどは内容を知らないから、適当にやってる」そうなのだ・・・・なんたるこっちゃ。ちなみに弁護士たちも、「適当に調停やってるよねえ・・・・」とのことで、調停の回数とか気にしてないらしい。

なんでもおカネで解決してしまうのがカンボジア社会。つい最近も、SEZでの発砲事件をおカネで解決しようとしたのは、とある政府高官とかいう政治家の名前入りの新聞記事まで出る始末・・・・・・政府高官が刑事事件をもみけそうとするんだものなあ、なんたる事態だ。

弁護士団体の人たちが身近だから、しょっちゅう悲惨な事件の顛末を聞いてるけれど、カンボジアで法律にのっとって裁判されるなんて、まだまだ先のこと。とりあえずは、何があっても大丈夫なように、女性たちをエンパワーして経済的に自立してもらって、いざという時のために備えをしてもしてもらうしかないのだよなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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