ジェンダーからみるカンボジア

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人身取引と移住に関する国際会議

2014年03月07日 | 女性の自立

 

2日間SUNWAYホテルでLGBTの会議に出たら、今度は2日間Le Royalで人身取引の国際会議。

たまたま試験ウィークにしてたから大学のほうは休んでも問題なくてよかったけれど、連日会議だらけの生活。

いろんな専門家の発表を聞いて勉強になるのは、こういう開発分野で仕事している役得だなと思うのである。

↓30名ほど海外から、20名ほどカンボジアから参加

EUとASEANにおける人身取引と非正規移民(不法労働であったりする)に関する会議。参加者を見てると、圧倒的大多数がカンボジア人でないので(主催者もシンガポールに基盤をもつ団体)、わざわざカンボジアに来てくれてありがたいなあと思うのである。

学生から相談を受けた、彼女のいとこの結婚と中国移住の事案は、やはり人身取引。幸い、出国の日が遅れてたので、直接電話で話をすることができたんだけれど、典型的な事案で、唖然とするのである。こういう時にはがゆいのは、本人に行くなとは言えないこと。行ったときのリスクを十分理解してもらうのが重要なのと、行くことを決めた場合にはどういう準備をしておかないといけないかを理解してもらって、さらには行かなくても受け取ったお金を返すとかそういうことは心配しないでいいとしか言えないのである。大金を受け取っている以上、行かないことにしたらお金を返さないといけないけれど返せないってことを心配してるのだ。

ただ、この本人は、中国のどこに行くのかも分かってないし、パスポートも持ってないし(どういうパスポートかVISAなのかもわかってない)、そもそも結婚もまだしてないのだ。なんたること。ほんとにはがゆいのである。中国に行かないって自分で決めてほしいな。

 

今回の会議は、専門家が各国からきているだけあって、最初に議論になったのは、用語の使い方。日本語でもややこしい、この分野の単語、英語でも理解のされ方が違うので、みんなで共通の理解を得ておくことが必要なのだ。

EUでも人の動きは活発で、面白いなと思ったのはマケドニアとかバルカン諸国の移民問題。まだ摘発数は少ないけれど、人身取引の事例が報告されてる。人の動きは止められないけれど、人身取引を防ぐことは可能。問題は、どうやるか。会議には政府の人があまり参加していないのが残念だけれど、警察とか第一線で活躍している人がもっと国際協力を進める必要があるなあ。