この築地塀(ついじべい)も、京都でみたものです。最近、このような風情のある塀が段々少なくなっていくようで、個人的には非常に嘆かわしいことと思っています。一見して、全く手入れをしているようには見えないこの方が、粋な感じがします。漆喰できれいに塗り込められてしまった塀では、余りにも冷たいような気がするのは私だけでしょうか。
昔の春日八郎の歌「お富さん」に出てくるような黒塀も良いのでしょうが、私には、この半ば崩れかかっているような築地塀の方が好きです。この歌をご存じの方は、自分も含めてかなりお年の方のはずなので、ちょっと書くのを控えた方が良いのかも、と思ったりしています。